秋田市の大森山動物園の入園料を値上げする条例改正案について、市議会の委員会は15日、全会一致で可決しました。多くの人が利用する年間パスポートは、2倍近くの金額になる予定です。
秋田市の大森山動物園は、燃料費や動物の餌代の高騰で、運営コストが大幅に増加しています。
これを受けて市は2023年、無料となっている高校生以下の子どもを含めて入園料を値上げする条例の改正案を議会に提出しましたが、教育的側面が損なわれる恐れがあるなどとして否決されていました。
こうしたことから市は、高校生以下を無料に据え置き、大人の入園料などを値上げする条例改正案を11月議会に提出しています。
具体的には、大人の入園料を現行の730円から1000円に、年間パスポートは1250円から2400円に値上げされる内容となっています。
15日に開かれた市議会の教育産業委員会で、委員からは「年間パスポートの料金が上がり過ぎではないか」といった意見や、「値上げによって入場者数が減るのではないか」といった質問が出されましたが、採決の結果、条例改正案は全会一致で可決されました。
23日の本会議で可決されれば、2026年4月1日から新たな料金が適用されます。
入園料の値上げについて、子育て世代はどう感じているのか聞きました。
30代の男性看護師:
「1回の料金を考えると高いかもしれないが、年間パスポートにお世話になっているので、あまり深く考えていない。年間パスポートの料金は2倍近くになるが、安すぎると思っていたので、それで今までのように動物園を維持してもらえるのであればいい。子供がもっと大きくなってくると活用する機会が増えるので、今後ともお世話になりたい」
名古屋市から移住してきたばかりの30代主婦:
「大人料金が1000円に値上がりしても安いと思う。まだ行ったことがないが行ってみたいと思っていて、1000円ならいっぱい行けると思う。年間パスポートの値段は倍でも安い方だと思う。いっぱい行きたい」
高齢者施設に勤務する30代男性:
「動物園には2カ月に1回くらい行く。最近、物価が上がっているし、動物園としてこれからも経営していくためには仕方がないと思う。年間パスポートの値上げも仕方がないと思う。私も利用しているので動物園をこれからも続けていってほしい」
値上げについては23日の本会議で正式に決まりますが、施行日前に購入した入場券や年間パスポートなどは、追加料金を払わずにそのまま使えます。
値上げが実現すれば、年間2500万~3800万円の増収が見込めるということです。