札幌市西区に住む一人暮らしの60代の女性が、インチキ警察官やニセ検察官に約2億5000万円もの大金をだまし取られる巨額詐欺被害がありました。道内のオレオレ詐欺事件では過去最悪の被害額です。
警察によりますと、8月13日、女性の自宅に配送会社の職員を名乗る男から「あなたの名義で宅配便が出されていて、中から大量の現金が出てきた。あなたの住所などが詐欺に悪用されているから警察に連絡する」などとウソの電話がありました。
その後、警察官や検察官をかたる男らから「犯罪に使用された119口座のうちあなたの口座が1つあった。あなたが犯人に口座を売った疑いがある。資産を調べる必要がある。お札を1枚1枚確認する」などと意味不明のことを言われ、脅されました。
女性はさらにビデオ通話でニセの捜査令状を見せられ「守秘義務を徹底して欲しい」「警察にも内通者がいる」と情報を漏らさないよう口止めされました。
動転した女性は新たにネット銀行の口座を作り、8月13日から11月30日までの間、28回にわたり現金を振り込み、計約2億5000万円もの大金をだまし取られてしまいました。
札幌市では、今回の事件以外にも、「億単位」の詐欺被害が相次いでいます。
厚別区に住む60代の男性は5月から7月にかけ、警察官などを装った詐欺の手口で約1億4500万円をだまし取られました。西区に住む50代の男性は11月、同じく警察官などを装った男らに約8000万円と約4200万円分の金塊、あわせて約1億2200万円をだまし取られました。手稲区に住む40代男性は9月から11月にかけ、投資詐欺に遭い1億1600万円をだまし取られました。
警察は「警察官などが現金や暗号資産の振り込みを依頼することはありません」と注意を促すとともに、不審な電話があった場合、警察相談専用電話「#9110」に相談するよう呼びかけています。