11月末から始まったスペイン産の豚肉や加工品の輸入停止。今後国内に出回る生ハムに大きな変化があるかもしれません。

落合健悟 記者:
ワインに合う味わいの生ハムですが、いま危機的な状況を迎えています

スペイン料理店エルカミーノ。静岡県浜松市に2店舗を展開する人気店です。

濃厚な味わいと脂の甘みが特徴のスペイン産イベリコ豚の最高ランク「ベジョータ」を使った生ハムはこだわりの一品です。

エルカミーノ・中野雄司オーナー:
当店でもすごく人気の商品で、ひと月に1本くらい生ハムは消費している

しかしイベリコ豚の輸入先、スペインで野生のイノシシからアフリカ豚熱が確認され農水省は11月28日に豚肉や加工品の輸入を停止しました。

エルカミーノ・中野雄司オーナー
取引のある業者さんに連絡したところ、みんな回答は同じで「わからないけど、とりあえず在庫が全てです」と

店では輸入停止を受け業者が持っている国内にある在庫を確保するため追加で発注したものの2つの店舗を合わせてストックは残り8本。

5カ月もすれば在庫が切れてしまいます。

生ハムをめぐっては日本への最大の輸出国だったイタリアでアフリカ豚熱が確認され2022年以降輸入停止が続いています。

その間に他の国へと代替が進み、なかでもスペインは輸入量の約7割を占める主力になっていますが、そのスペイン産が輸入停止に。

エルカミーノ・中野雄司オーナー
(業界団体の)日本生ハム協会からは通常3年~5年、長くて10年という最悪のパターンもあるから新しいものも考えておいてくださいと言われてはいる

今後長期化すれば価格が高騰する可能性もあり、スペイン料理店には当然大きな打撃となります。

一方で国産の生ハムが脚光を浴びるチャンスとも捉えています。

エルカミーノ・中野雄司オーナー:
(国産生ハムを)取り扱い始めて3~4年くらいですが、試食会などに参加させてもらい本当においしいハムが年々増えているのですごく楽しみ。こだわって仕入れていてベジョータ以外にも美味しいハムはあるのでそれを広められるようにしたい

生ハムだけでなくスペイン産の豚肉は国内供給量の約1割を占めており輸入停止が長引けば今後家庭の食卓にも影響がでてくるかもしれません。

テレビ静岡
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