長期入院で病と闘う子どもや家族を元気づけようと、岐阜市内の3カ所で花火が打ち上げられました。夜空を彩った季節外れの大輪の花に託された思いを取材しました。
12月12日、岐阜大学病院のすぐ目の前で、打ち上げ花火の準備が進められていました。
村瀬煙火の村瀬功さん:
「この中に、発射する火薬と花火玉が入る」
子どもたちや家族を元気づけるための「打ち上げ花火」です。
長期入院を経験した子どもの保護者が集まった団体「エールミールぎふ」のメンバー・林萌々香さん。

病気と闘う子どもたちと家族のために、岐阜市内3つの病院の近くで花火を打ち上げるプロジェクトを立ち上げたところ、全国から580万円あまりの支援が寄せられたのです。
エールミールぎふの林萌々香さん:
「実際に私が息子と見た花火で、病棟から見える花火って丸じゃないんですよ。建物の上からピロピロッと光るだけ。もし自分たちのために打ち上がるとなったら、あの子たちにとっても嬉しいものになるんじゃないかなって」
林さんの長男・玄樹くんは、小児がんの一種「神経芽腫」で、1歳7カ月の時から入退院を繰り返し、2025年1月、5歳の誕生日を迎えた後、旅立ちました。
林さん:
「お姉ちゃんたちと息子が、同じことを同じ時間に楽しむことが本当になかった。お姉ちゃんたち2人が『玄樹見てるよね』って思いながら、今日の花火を楽しんでもらえたら」
打ち上げ会場の1つ、岐阜県総合医療センターの病棟では、国指定の難病「紫斑病性腎炎」を治療するため入院中の西野匠眞くん(8)も、花火を楽しみにしていました。
入院している子どもたちとその保護者が、続々と窓際に集まり、窓越しに咲く大輪を眺めます。
西野匠眞くん:
「嬉しくて、これからも手術とか頑張れるように思います」
母親:
「(入院中)泣いていたけど、『この花火があるよ』って勇気づけられたね」
難病と向き合う子どもたちと家族にエールを…。夜空を色鮮やかに彩った花火には、沢山の人の思いが託されていました。
林さん(花火を見た娘に):
「やっぱり玄樹のことを思い出して、ちょっと泣けちゃったね。でもよかったね、一緒に見られて。もう大丈夫だね」
林さん:
「一人でも多くのお子さんやご家族の方が『ちょっと踏ん張ろか』って、ちょっとでも今の現実を忘れつつ、ふわっと楽しい時間になってくれたらなと思います」
