地方移住や田舎暮らしへの関心が高まる中、富山県上市町では0円で空き家を譲り受ける制度が人気を呼んでいて、記念すべき100人目の移住が決まりました。

100人目の移住者となったのが黒部市在住の親子2人です。

*黒部市在住 新しく住む親子(30代・60代)
「すごくきれいに大切にされてきたとわかる家で、私たちも大切にこれから暮らしていきたい」

自然豊かな場所で「一軒家に住みたい」という願いを叶えるため、3年前から県内の物件を空き家に限らず、探していたといいます。

今回、上市町が提供する「0円空き家バンク」に取得を希望し移住が決まりました。

「0円空家バンク」は、空き家の管理や処分に困っている所有者が0円で空き家を譲渡することで、譲渡する側には上限15万円まで、譲渡される側にも上限50万円の補助金が受けられる制度で、日本初の取り組みとして全国から注目されています。

15日、記念すべき100人目となる住人に引き渡された家の持ち主も、解体し更地にするにも管理を続けるにも、費用や手間の問題で考えあぐねていたと言います。

*家を譲渡する 富樫稔さん(83)
「この家は壊すつもりでいたが、長いこと住んでいたし、親の家だし、今回0円空家バンクに応募して誰か入る人がいれば、壊すのは後からでもいいということで応募した。大変嬉しく思う」

1937年に両親が建てた木造2階建ての家を譲ることにした80代の富樫さん夫婦。

富樫さんの母が9年前まで住んでいたのを最後に空き家になっていましたが、今年10月に応募を開始し、1カ月足らずで入居者が決定しました。

*黒部市在住 新しく住む親子(30代・60代)
「庭いじりしたら景色が見られそうなところがとても楽しみ」

町の0円空き家バンクにはこれまでに38件の登録があり、15日で36件の譲渡が成立。

このうち13件は県外から移住した世帯です。

*上市町建設課 水井敬之さん
「住宅としての使用はもちろんだが、古着屋や民泊施設を開業する予定の人も」

この空き家バンクの効果もあり、町の空き家は2年連続で減少していると言います。

*上市町建設課 水井敬之さん
「制度の普及をさらに進めて、空き家の利活用や危険な空き家になる前に活用できるよう目指したい」

町が登録の相談を受け相続上の権利問題や劣化状況の事前審査が済んでいるのは現在51件あり、今後も0円空き家バンクによる町の活性化を推し進めたいとしています。

富山テレビ
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