女流棋士のタイトル戦の「主催者」も、見直しを申し入れました。

福間香奈女流六冠(33)は、日本将棋連盟が定めた「産前6週、産後8週にタイトル戦の日程が重なれば、対局者を変更する」という規定について、「出産が不戦敗やタイトル返上の理由になるのは不合理だ」などとして、連盟に見直しを求めました。

これを受けて、「倉敷藤花戦」を主催する岡山県倉敷市などは、連盟に規定の見直しを申し入れました。

申し入れ書で市などは、「規定について連盟は、女流棋士の理解を得ているとしていたが、福間女流六冠の会見は全く違うものだった。個人の尊厳に関わる問題で早急に見直しをしてほしい」としています。

また、女流王位戦を主催する新聞三社連合は「規定に合意していない」「連盟の今後の検討を注視する」とコメントしています。

(関西テレビ「newsランナー」2025年12月12日放送)

■「倉敷藤花戦」主催の倉敷市・倉敷市文化振興財団の申し入れ書 全文は…

倉敷市・倉敷市文化振興財団の申し入れ書の内容は以下のようなものです。

<申し入れ書より>
日本将棋連盟は、今春、番勝負における妊娠・出産の取り扱いを「番勝負対局規定」に盛り込みましたが、その内容は、対局者が妊娠した場合、出産予定日を基準とした産前6週間(多胎妊娠の場合は14週間)から産後8週間までの期間が番勝負の日程と一部でも重複する場合には、本人が対局に出場したいという意思を考慮せずに一方的に対局者の変更を行うというものです。

当時の日本将棋連盟からの説明では、女流棋士の皆さんの理解を得ているとのことでしたが、本日の福間香奈倉敷藤花の意見表明内容は全く違うものでした。

妊娠・出産を理由として、タイトル保持者・挑戦者ともに対局を認めない期間を設けることをはじめとして、特にタイトル保持者にとっては、番勝負の日程が当該期間に該当すれば、無条件にその番勝負に出場できなくなり、タイトルを失うという、いわば「妊娠・出産を理由としたタイトルはく奪」が原則の規定となっており、一方的に出場できなくするこの規定は、個人の尊厳にも関わる問題と捉えております。

なお、労働基準法を参考に、対局を認めない期間を示したとしていますが、女流棋士は個人事業主であり、労働基準法の適用を受けない立場にあることを十分踏まえて、対局に過度な制約とならないように見直されるべきものと考えます。

大山名人杯倉敷藤花戦は、倉敷市・倉敷市文化振興財団等が主催する33期を重ねる歴史ある棋戦であり、大山康晴十五世名人の偉業顕彰はもとより、女性の将棋普及に尽力した大山名人の遺志を継承するために開催しているものであります。

このことから、妊娠・出産・子育てを応援し、家庭と仕事が両立できるように女性の活躍を後押しする倉敷市としては、昨年11月に開催予定であった第32期倉敷藤花戦3番勝負について、出産間近の倉敷藤花の体調に配慮し、また挑戦者のご理解もいただきながら、今年2月・3月に延期して開催したところです。

少子化対策、女性活躍推進が急務となっている現在、できる限りこのような対応を行っていくことが求められていると考えます。

日本将棋連盟におかれましては、妊娠・出産と対局の両立をできる限り可能にするた
めの規定となるように、早急に見直しを行っていただきたいと思います。

関西テレビ
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