イギリスの市場調査会社「ユーロモニターインターナショナル」は、世界の観光都市ランキングを発表し、日本からは東京が3位、大阪が11位、京都が19位となった。

ユーロモニターが4日発表した「2025年トップ100都市デスティネーション・インデックス」レポートは、世界の100都市を6つの分野(経済・ビジネスの実績、観光パフォーマンス、観光政策と魅力度、観光インフラ、衛生・安全、持続可能性)の観点について、55の指標で比較して観光都市としての魅力を総合評価したもの。

1位は5年連続フランスのパリで、2位はスペインのマドリッド、東京は去年に続いて3位だった。東京については、高級ホテルの開発や空港拡張が評価された。

日本からは、去年16位だった大阪が11位、去年27位だった京都も19位にランクアップした。トップ20に3都市が入ったのは日本だけだ。

その他の日本の都市は、札幌が50位(去年65位)、福岡が64位(去年64位)だった。

東京・大阪・京都については、観光インフラや衛生・安全の分野で高い評価を得ているが、持続可能性の分野では他都市に後れをとっていると指摘された。

2位に入ったマドリッドなど、スペインの各都市は先進的な環境施策が評価されており、ヘルシンキやオスロなども、エコフレンドリーな取り組みが評価されているという。

またAIが観光分野でも変革を促していると指摘している。

ニューヨークのスマートシティプラットフォーム、バンコクのデジタル入国カード、アブダビのAI活用サービスなど、「各都市は最新技術を導入し利便性や体験価値を向上させています」と評価した。

ユーロモニターのナデジャ・ポポバ ロイヤリティ調査部門長は、「都市は今、野心的な投資、急速なイノベーション、そしてAIの広範な導入により、都市観光の転換期を迎えている。都市間の競争が激化する中、都市は持続可能性や柔軟性を重視し、訪れる人々一人ひとりに合わせた価値ある体験の提供に注力している。2025年の世界観光都市ランキングは、現在の成功だけでなく、今後どの都市が観光都市の模範となるかを明らかにしている」としている。

ユーロモニターは、「世界旅行市場は今後も大幅な成長が見込まれており、海外・国内の旅行支出は2030年までに6.7兆米ドル(約1040兆円)に達する」と予想している。

国土交通省のインバウンド消費動向調査によると、今年1月から9月までの9ヶ月間で訪日外国人が日本国内で行った宿泊費や食費などの消費総額は、6兆9000億円以上に上っている。

観光都市ランキングは以下の通り

1位 パリ
2位 マドリッド
3位 東京
4位 ローマ
5位 ミラノ
6位 ニューヨーク
7位 アムステルダム
8位 バルセロナ
9位 シングなポール
10位 ソウル
 

プライムオンライン編集部
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