師走に入り冬眠シーズンが到来しても、依然として各地でクマの出没が止まりません。
秋田・横手市の住宅街では2日、体長約1.3メートルのクマ1頭が小屋に居座り。
現場は小学校も近く、吹き矢による麻酔で捕獲し駆除されました。
災害級のクマ出没に、駆除されたクマも激増しています。
そのクマを引き取る北海道の施設では、手が回らない事態に追い込まれていました。
南部桧山衛星処理組合・上戸等場長:
前年約30頭ほどだったんですけども、現時点で120頭ほどになっています。過去最高です。フル稼働でも間に合わない。
駆除されたクマの引き取りに頭を悩ます一方で、食用となるクマ肉はどのように活用されてきているのでしょうか。
「イット!」取材班が訪れたのは、クマ肉を推している都内のジビエ料理専門店です。
きれいに切り分けられたクマの肉を見てみると赤身の上に、たっぷりと脂肪がついているのが分かります。
あまからくまから 人形町店・林育夫店長:
基本的に冬眠前に脂をつけるんですけど、その脂がおいしいので、よく食べられるのは冬、この時期です。毎年この時期はクマを食べるために来られる方が多いです。
旬を迎えているというクマ料理の一番人気は圧倒的に“鍋”。
肉の味は食べている餌によって変化し、柿などのフルーツが多ければ脂が甘みを増し、木の実などが多ければこってりとした味になるといいます。
この日、クマ肉初挑戦だという人は気になる味について、「おいしいです、すごく。なかなか弾力のある感じというか」「馬とも牛とも違うような野性味を感じる味でした。(Q.馬と牛と比べるとどう?)クマの方が好きです」と話しました。
しっかりと処理されているクマ肉は、気になる臭みも抑えられているといいます。
多くのクマが駆除されている中、クマ肉の流通量はどうなっているのでしょうか。
あまからくりから 人形町店・林育夫店長:
元々の処理施設の限界ぐらいまで稼働はしていると思いますので、多少増えていると思いますけど…。
クマが多く捕獲されても処理施設の不足などから食用にできず、処分されるケースも少なくないといいます。
癖になる味わいのクマ肉ですが、広く流通させるにはまだ時間がかかりそうです。