患者数は減少も依然警戒必要、医師は予防接種を推奨

富山県内のインフルエンザ感染状況が依然として警報レベルにあることがわかった。県感染症情報センターの発表によると、先月24日から30日までの1週間に確認された患者数は1定点医療機関あたり49.33人となり、前週と比較して減少したものの、警報基準である30人を3週連続で上回っている。
20歳以上の感染者が増加、80歳以上を除く全年代で

年齢別の感染状況を見ると、20歳未満では減少傾向がみられたが、20歳以上では80歳以上を除いた全ての年代で前週から増加した。県内の教育機関では、この週に入って24校で学級閉鎖や学年閉鎖の措置が取られたが、休校となった学校はなかった。




富山市内の小児科医院では、インフルエンザの疑いのある患者が連日訪れている。小学生の男の子は微熱と鼻水が止まらないという症状で受診し、検査の結果インフルエンザA型と診断された。

サブクレードK変異株が主流、症状に特徴

現在特に流行しているのは、サブクレードKと呼ばれるA型の一種「H3型」の変異株だという。八木小児科医院の八木信一医師は「全国的に9割以上がサブクレードKと言われている。そのタイプが多いと考える。例年のA型に比べると、熱の経過が長かったり咳が長引く人が多い」と説明している。
同医院では、先月はインフルエンザの疑いのある患者が1日当たり約100人受診していたが、現在は約20人に減少している。八木医師はピークは過ぎたとみているが、今後も注意が必要だと警告する。

「都会や当院でもインフルエンザB型も検出されつつある。年明けから新しいタイプが流行する可能性がある。流行時期が早まって、まだ予防接種を受ける前に感染した人が多かった。今からでも予防接種をするのは重症化予防の上で重要」と八木医師は話す。
インフルエンザ感染時の「異常行動」に注意
加えて専門家が注意を呼びかけているのは、子どもがインフルエンザに感染した際の「異常行動」だ。薬の服用の有無や種類にかかわらず、特に発熱から2日間は窓からの飛び降りなどの異常行動を引き起こすおそれがある。
八木医師は「インフルエンザの高熱は他の高熱に比べて異常行動の症状が出現しやすい。一定の時間が経っても回復しない場合は、インフルエンザによる脳症といった重篤な合併症があるので注意する必要がある」と強調している。
県は県民に対し、手洗いやマスクの着用、こまめな換気などの基本的な感染予防策を徹底するとともに、ワクチン接種を検討するよう呼びかけている。
(富山テレビ放送)
