猛威をふるう2025年のインフルエンザ。なのにワクチンを打つ人は減少しているという。
一体なぜなのか、都内のクリニックを取材した。
流行の型の約96%が変異株「サブクレードK」
インフルエンザの最新の患者報告数は19万6000人を超え、2024年の同じ時期の約17倍になった。39の都道府県で「警報レベル」の感染拡大となっている。

医師:
熱は何度までいきました?
患者:
さっき測ったら40℃
医師:
今年インフルエンザワクチン打った?
患者:
まだ打ってない。今週土曜日にちょうど打とうと思ったら…。
東京都内のクリニックでは、19歳の女性患者が40℃の発熱や関節痛を訴えていた。抗原検査の結果は……。

いとう王子神谷内科外科クリニック・伊藤博道院長:
基本的にインフルエンザA型が陽性です。よく見るとコロナも出ているから、インフルエンザ・コロナ同時感染と考えて治療します。
インフルエンザとコロナの“ダブル感染”だった。

さらに今、全国で流行している型の約96%が、新たな変異株の「サブクレードK」であることも判明している。

いとう王子神谷内科外科クリニック・伊藤博道院長:
過去最多の感染者数が、ここ2週間くらい続いている状況。10月後半から11月にかけてはインフルエンザA型がより比率が高くなり、「サブクレードK」という新たなH3N2の中の変異株であることが分かってきました。
「ワクチン疲れ」か…インフル・ワクチンの使用量が減少
一方、感染拡大が続く中、インフルエンザワクチンの使用量が減り続けていることも分かった。

いとう王子神谷内科外科クリニック・伊藤博道院長:
毎年不足していたインフルエンザワクチンが(ここ数年は)毎年大量に余るという状態になって心配しています。

厚生労働省の資料では、インフルエンザワクチンの使用量は、コロナ禍の2020年に過去最多を記録して以降、減少が続いている。その要因は…。

いとう王子神谷内科外科クリニック・伊藤博道 院長:
コロナワクチンが始まってから、インフルエンザワクチンが嘘のように使われなくなった。ワクチンに対して疲れてしまった、何回もワクチンを打って嫌になっちゃたと。副反応で苦しんだ人も確かにいると思いますし。何回も頻繁に病院に行って打つことに「ワクチン疲れ」というのはやっぱりあると思う。
厚生労働省は、インフルエンザによる重症化を防ぐため、定期接種対象の高齢者だけでなく、6歳未満の子供などには特にワクチンを接種してほしいと呼びかけている。

伊藤医師によると、新たな変異株「サブクレードK」についても、2025年のワクチンで重症化を防ぐ効果が期待できるという。
(「イット!」12月2日放送より)
