これからの年末年始、需要が高まるマグロ。
その価格に変化が起きていました。
取材班が訪れたのは、ランチタイムにお刺し身食べ放題を行っている東京都内の海鮮居酒屋。
料金は平日で2000円とあって、1日も多くのお客さんが訪れていました。
特に人気のマグロは、次から次へとお客さんのお皿に盛られていきます。
この店では、その日安く仕入れることができるマグロを食べ放題で提供していますが、最近は仕入れ値が上昇し、頭を悩ませているといいます。
たいこ茶屋 若大将・井上祐輔さん:
肌感覚で言うと(仕入れ値は)2割ぐらい上がってるかな。仕入れが上がると全部逼迫(ひっぱく)してくる。ここらへんサラリーマンの方が多いんですけど、値段にシビアなお客さんが多いので、なるべく値段は上げずにいきたいのが素直な気持ち。
マグロの仕入れ価格上昇の影響は、都内のスーパーにも…。
買い物客は「高くなりましたよね。(他のお店は)2割くらいあがっちゃってるかな」「やっぱり高いですよね。昔は1週間に1回ぐらいお刺身食べてたけど、(今は)2週間に1回くらいの割合だよね」などと話していました。
農水省が行っている全国470店舗への食品の価格動向調査では、2025年7月のマグロ100グラム当たりの小売価格は455円でしたが、そこから右肩上がりに上昇し、11月は507円と、50円以上値上がりしています。
このスーパーでは1日、マルタ産の本マグロ切り落としがワンパック税込みで1058円。
太平洋産のメバチマグロの赤身が100グラム税込み322円。
鮮魚コーナーの担当者によれば、価格への反映は今のところギリギリ抑えているといいます。
スーパーさんよう・鮮魚コーナー担当:
夏ぐらいから上がっている。(仕入れ値は)キロにすると500円くらいは上がっている。今まで1500円で買えたのが2000円ぐらいになっている。
マグロの価格が上昇している背景について、近畿大学の有路昌彦教授は「キハダ・メバチに関しては今年の初めくらいまで近海で取れていたので非常に単価が下がっていたが、年末に形成される漁場が海流の変化というのもあって、供給量がすごく減っている。メバチ・キハダに関しては値段が上がっている」と話します。
一方、クロマグロについては「冷凍のクロマグロが去年、在庫がすごくたまっていたのが放出されて非常に安くなった傾向があるが、それが一巡してなくなったので、どっちかというと元の状態に戻ってきた」といいます。
また、円安のためヨーロッパから仕入れるマグロの買い付け単価が上がっていることも、価格上昇の理由の1つだということです。