庄内海岸の松林で、松くい虫の被害が拡大している。過去最悪の被害だった2024年を上回る見通しとなっていて、吉村知事が現地を視察した。

庄内の海岸エリアに立ち並ぶ松の木。
その多くの葉が抜け落ちたり茶色く枯れたりしている。
これはすべて松くい虫による被害。

松くい虫の被害は、「マツノザイセンチュウ」という体長1ミリメートルにも満たない線虫が、松の木の中に入ることで松枯れを引き起こすもの。

一度被害にあった松は再生することはなく、被害拡大を防ぐために伐採される。
被害は2023年に5万7500立方メートル、2024年に10万4400立方メートルと、倍近くに膨れ上がっている。

28日、被害が深刻な酒田市黒森の海岸林を吉村知事が視察し、JAそでうらの五十嵐良弥組合長が窮状を訴えた。

(JAそでうら・五十嵐良弥組合長)
「ご存じの通り半端じゃない数。国と県の力を借りて、何とかここで営農して暮らしているみなさんを助けてほしい」

庄内海岸では、これまで被害にあった松をすべて伐採し松くい虫を駆除していたが、被害が一気に増えた2023年から伐採が追いつかず、倒木などの二次被害も発生している。

2024年は被害全体の38%程度しか伐採できておらず、被害拡大に歯止めがかからない状況。

視察の後に開かれた意見交換会では、鶴岡・酒田・遊佐の市長らから要望書を提出された。
倒木などによる被害木の二次被害対策と森林再生に必要な予算の確保・県主導による対策の体制構築などを求めた。

(吉村美栄子知事)
「危険木による通行障害・ハウスに倒木があれば生産被害にもなるので、危険木の伐採も並行して進めなければならない」

松くい虫の被害対策強化については、28日に高橋徹副知事も林野庁に要望書を提出していて、今後、官民一体となっての対策が本格化する。

さくらんぼテレビ
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