秋田県内の水産事業者などが共同で設立した会社が男鹿市で魚の陸上養殖に取り組むことになり、関係者が28日、施設の工事の安全を祈願しました。養殖するのは高級魚の「タマカイ」で、2027年に出荷される予定です。
魚の陸上養殖に取り組むのは、NTT東日本や秋田銀行の子会社、県内の水産事業者などが共同で設立した会社「男鹿なまはげ魚工房」です。
陸上での養殖事業に取り組むための施設は、2024年3月に閉館した男鹿市の温泉施設の跡地に整備されています。
28日は大規模な水槽施設の工事を前に神事が行われ、関係者が工事の安全を祈願しました。
養殖する高級魚「タマカイ」は、ハタ科の魚でクエの仲間です。10月からタマカイの実証育成に取り組んでいて、水温や水質などの飼育状況をICT技術で管理し、現在140匹が順調に成長しています。
県内では漁獲量が減少傾向にあり、2024年は4323トンと10年前の半分近くにまで減っています。
海水温の上昇など気候変動も影響していると見られますが、陸上養殖はこうした影響を受けないため、安定した生産が見込めます。
男鹿なまはげ魚工房・澤村誉社長:
「通年で細く長く出荷はできると思っていて、最初は加工しながら6次産業でしっかりと地域の料理人にも入ってもらい、料理で人が集まってどんどん広がっていく形ができれば」
大規模な水槽は2026年秋ごろに完成する予定で、1年目は3トンほどを2027年秋に出荷し、将来的には年間100トンの生産を目指したい考えです。