熊本市の大西市長は市電の運賃の決済方法について、Suicaなどの全国交通系ICカードがこれまで通り利用できる機器に更新する方針を明らかにしました。
利用者の利便性を重視した形で、更新費用も国からの補助で抑えられる見込みだとしています。
【大西 一史 熊本市長】
「市民や利用者の皆様にとっての利便性の向上と、コストの適正化を総合的に判断し、全国交通系ICカードが利用可能な機器に更新することといたしました」
市電の決済方法をめぐっては、来年3月末に期限を迎える機器の高額な更新費用がネックとなり、市は去年5月、『全国IC』の利用廃止の方針を発表。
しかし、その後大西市長は廃止の方針の判断を先送りし、引き続き検討を行う考えを示していました。
そして28日、大西市長は市電の決済方法として『全国IC』を維持する方針を市議会で表明しました。
市は、現在の機器を一部安価なものにするなどして、約1億5000万円の費用で更新を行う方針です。
さらに国の補助を受けた場合、最大3分の1、約5000万円の補助を受けられる可能性があり、当初示されていた約2億円から最大で半額程度にまでコストを抑えられる見込みだとしています。
また市は、外国人を含む利用者や市電の運転士などへのアンケートで『全国IC』を支持する声が多かったことも、今回の方針の理由の一つとしています。
【仲野 香穂 アナウンサー】
「今後も全国ICの利用継続へ、利用者はどう捉えているのでしょうか」
【仙台から来た人】
「統一されているのが一番でしょうけど、手数料も高いというのも聞いているので何がいいかはそれぞれの交通会社が決めるのだろうが…ひとまず安心」
【熊本市内の人】
「前はSuicaを使っていたけど、今はICカードが使えるのか不安で現金で払っていた。きょう?よかった」
【熊本市内の人】
「バスで(全国ICが)使えなくなって、今くまモンのICカードで払っているけど
結構県外から来た人が間違っているのを見る…よかった。そのままSuica使える?全国共通で使える」
スタジオには取材した仲野アナウンサーです。
市電は全国IC継続の方針が示されましたが一方で、バスの決済方法はどのようになっていますか。
市電より早く更新時期を迎えた県内のバス各社と熊本電鉄電車では、去年11月から『全国IC』が利用できなくなりました。
決済方法をめぐり県内の公共交通機関で、足並みが揃わない形となりました。
大西市長はこれについてどのように述べているのでしょうか。
大西市長は「バスに比べて、市電は県外や海外から来た人が多く使うことが統計でわかっている。日常的に使っている全国ICがそのまま使える」
そして「まだ使っている人がたくさんいる。そういう人が困らないようにすることが大事」と述べました。
今後も機器の更新時期のタイミングで、そのときの主流の決済方法やかかる経費を見極めて検討するということです。
市は、次の定例議会に提出する来年度当初予算案に機器の更新費用などを盛り込む方針です。