28日午前、警視庁が家宅捜索に入ったのは、東京・荒川区にある民泊施設です。
この民泊施設では、条例で禁じられている平日に客を宿泊させ、業務改善命令が出されたあとも営業を継続していた疑いが持たれています。
さらに、この民泊施設の運営会社は区への定期報告で「平日に客を宿泊させていない」とうその報告もしていたとみられています。
民泊のルールを定めた、いわゆる「民泊新法」では、特区以外の地域での年間営業日数が最大で180日と定められています。
加えて、自治体によっては今回の荒川区のように平日の営業を禁止しているケースもあります。
そうした法令に違反する営業に加え、今、各地で問題になっているのが施設周辺でのトラブル。
今回、家宅捜索が入った民泊施設の近隣住民も「建ったときは民泊になると思ってなかった。やっぱりみんな外国人・家族とか、4~6人の家族かグループ」「眠るまでは1つの部屋に集まってキャーキャーピーピー言ってる。夜中までの時もあるし、警察も呼んだし」と証言します。
同様に豊島区の民泊施設周辺でも、近隣住民から「キャリーバッグは朝一で来る人(民泊利用者は)本当早い時間でしょ。今度、帰る時に夜が遅いと。大げさに言ったら(バッグを引きずる)ガタンガタン…みたいな音がする」などの声が聞かれました。
騒音だけではありません。
新宿駅から2kmほど離れた民泊施設が入るマンションでは、敷地内にスーツケースやごみ袋が散乱し、その状態のまま長期間放置されているといいます。
新宿区は、この民泊業者に都内では初となる業務停止命令を出しましたが、状況は変わっていないといいます。
近隣住民:
2~3カ月ぐらい前から置きっぱなしで…。(民泊施設の)掃除の人が来た時に「これどうにかしてよ」って言うけど、特に効果はないです。ゴミがわかるように積んでたくさんあるのは、生活のレベルが落ちるようなイメージ。ごみ屋敷が来ちゃったみたいな感じ。
近隣住民を悩ませる、騒音やごみの放置などの迷惑行為。
民泊施設が急増している豊島区でも苦情件数が急増しているといいます。
こうした事態を受け、豊島区は民泊条例の改正案を発表しました。
その柱は、営業日数の上限を年間180日から120日とし、全ての地域で可能だった営業を区内の約7割のエリアで施設の新設を禁止とするというもの。
区議会で可決されれば、2026年12月からの適用を目指します。
こうした民泊規制強化の動きは今、全国に広がっています。
一方で、事業者側からは「インバウンド戦略にマイナスに働くのでは」との声があるのも事実です。
豊島区内で民泊施設を運営する事業者は、「今回の規制強化をきっかけに『廃業を検討せざるを得ない』といった声が数多くのオーナーからあがっている」と話します。
民泊という新たな形で外国人観光客を受け入れつつ、住民の暮らしをどう守るのか。
その大きな課題に加え警戒されるのが、無許可営業の“闇民泊”。
トラブルのさらなる増加にどう備えるべきなのでしょうか。