インフルエンザが猛威をふるう中、福井県は27日、例年よりも1カ月以上早くインフルエンザ警報を発令しました。異例の感染拡大を続けている今年のインフルエンザの特徴や予防法を医師に聞きました。


27日、県は過去10年で最も早くインフルエンザ警報を発令。23日までの1週間で、患者数は前週から1.5倍に急増しています。
   
例年であれば1月から2月にピークを迎えるといわれているインフルエンザですが、今年は「異例」の時期に猛威を振るっています。


福井市のかさはら小児科では、11月初旬から発熱や鼻水といったインフルエンザの症状を訴える患者が急激に増え、現在は1日に10人ほどの患者が陽性と診断されています。
 
笠原善仁院長は「2、3週間前は特定の学校で流行っていたが、今週に入り、あちこちの学校や保育園、施設で感染拡大している。今がピークかと思っている」とします。


笠原医師は、今年のインフルエンザの流行にはある特徴があると話します。「今年流行っているのはAH3型というA型の一種類が主体で、高熱が主な症状だが、治りかけてくると咳や鼻水が長引くような傾向がある。高熱なのでけいれんを起こす人が多々いる。A型の中でも今回のAH3型は感染力が強そう」
   
変異株が持つ「感染力の強さ」が感染拡大の要因の一つだと指摘する笠原院長。さらに、例年より感染拡大のタイミングが早まっていることについても「変異株」が関係 しているといいます。「今流行っているインフルエンザの型の遺伝子変異がいくつかあるので、変異した型に対しての免疫がないことが大きな原因と言われている。ワクチンもまだ十分に摂取していない時期に流行が始まったことも関係している」


笠原院長は、少なくとも年末まではこの状態が続き、年明けごろまでは警戒が必要としています。「基本はインフルエンザのワクチン、子供向けには鼻から噴霧するワクチンもあるので摂取してもらうこと。一般的な感染対策の手洗い、うがい、消毒はしっかりしてほしい」
 
このほか感染予防として笠原医師は「一般的な感染対策のほかに免疫力をあげるために睡眠や栄養をしっかりとること、乾燥対策にも心がけてほしい。また、帰ったらすぐに服を着替えるなど、家の中にウイルスを持ち込まないようにすることも重要」と呼びかけています。

福井テレビ
福井テレビ

福井の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。