秋から冬にかけて日照時間が短くなるのに伴い、注意が必要なのが「冬季うつ」。脳内物質の分泌量が変わるのが原因で、誰にでもなる可能性がある。その症状や対処法を専門医に聞いた。
日照時間の短さが発症の要因に
秋から冬にかけてぐっと短くなる日照時間。夏と比べると、冬は5時間も短くなる。これが「冬季うつ」の発症や悪化につながるケースもあるという。
福井市内にある「こころの森病院」の堀江端医師は、冬季うつの症状について「普通のうつ病と似ている」という。意欲や気分の低下、興味・関心の喪失などの症状がみられる。
過眠、過食になる傾向
しかし「普通のうつの場合は食欲の低下や睡眠障害としての不眠が強く出てくるケースが多いが、季節性のうつの場合はむしろ過眠、過食という症状が現れることが多い」と堀江医師。
日照時間が短くなることで、脳内の神経伝達物質であるセロトニンの分泌が減少。すると、糖質を補おうと食事を多く取る傾向があるという。
起きたらまずカーテンを開けよう
さらに、暗い時間帯が延びることでメラトニンという睡眠に関わるホルモンが多く分泌され、過眠を引き起こすといわれている。
冬季うつを予防するためには「朝早くカーテンを開けて日光を浴び、日が出ているときに散歩に行くのがいい」と堀江医師。
堀江医師は、これらの症状が日常生活に支障をきたす場合は早めに医師に相談してほしいとしている。
特に北陸の場合は、冬に晴れ間少なく日光をたくさん浴びるのが難しいが、朝起きたらまずカーテンを開け積極的に日光を浴びて、規則正しい生活を心掛けよう。
