同性婚を認ない規定は憲法に違反するとして、同性のカップルらが全国で国を訴えた裁判で、二審で最後の判決となった東京高裁は、二審で初めて「合憲」との判断を示しました。
裁判所前から、フジテレビ社会部・大熊悠斗記者が中継でお伝えします。
これまで二審では「違憲」判決が続いていましたが、最後に「合憲」という判決が出たことで、原告からは落胆や憤りの声が聞かれました。
原告:
きょうは想像もしていなかった判決の内容だった。司法とは何なのか、私たちを見ているのか、次の世代のことを考えているのか、理解に苦しむという一言です。
この裁判は、同性カップルら8人が法律上、同性同士の結婚を認めない民法などの規定は憲法に違反するなどと主張し、国に賠償を求めているもので、一審の東京地裁は「違憲状態」との判断を示していました。
二審の東京高裁は28日の判決で、「憲法24条は、異性の人同士の関係を婚姻として定めたものと解釈される。同性の者同士にも適用されるとは解釈できない」などとして、二審で初めて「合憲」と判断しました。
これに対し、28日午後、弁護団は「婚姻の自由と平等の実現は、もはや揺るがない社会の情勢であり、本判決はこれに逆行するもの」との声明を発表しました。
同性婚をめぐっては、同様の裁判がこれまでに全国5カ所で6件起こされていました。
28日の判決で「違憲」5件、「合憲」1件と高裁の判断が分かれることになり、今後は最高裁が統一判断を示すものとみられます。
――今回の判断はどう受けているか?
SPキャスター・柳澤秀夫さん:
判断が分かれているだけに中身が非常に難しい問題であることは間違いないと思うんです。合憲・違憲を争う前に日常的な生活の中で不利益をこうむるようなことがないように、基本的にはそれは進めてほしいと思うんです。いずれにしても、このあと最高裁レベルで判断がされると思いますが、我々国民も一人ひとりがこの問題について向き合い、真剣に考える必要があると思いますね。
宮司愛海キャスター:
今回、合憲判断ではありましたが、判決文でも国会での審議が求められているという文がありました。しっかり国会で受け止めてほしいと感じます。