ふとした瞬間にふらつく“めまい”。一般的には女性に症状が出やすいというが、若い年代ではストレスや不規則な生活が原因でめまいの症状が表れることもあるという。このめまいの原因や自宅でも手軽に実践できる予防法などを医師に聞いた。

病気につながる場合も…“めまい”の原因とは?

ふとした瞬間にふらつき、景色がまわるような感覚になる“めまい”の症状。

イメージ
イメージ
この記事の画像(14枚)

つい放置してしまいがちだが、めまいの中には心臓の病気や血液の病気、あるいは脳出血、脳梗塞などにつながる非常に危険なめまいも存在するという。

このめまいの主な原因には「耳の中の働きが関係している」と新潟大学耳鼻咽喉科の八木千裕助教は話す。

耳の奥には聞こえのセンサー、あるいはバランスのセンサーが存在する内耳という場所があるが、めまいを引き起こす原因として最も多いのは、その内耳にある“前庭”というバランスのセンサーの異常だという。

めまいの原因は耳の奥に
めまいの原因は耳の奥に

通常であれば、私たちが体を動かすと、前庭の中で流れるリンパ液も一緒に動く。そうすることで体の動きや傾きを感知し、バランスを保つことができる。

ただ、前庭に異常が生じると、実際は動いていないのに動いているように感じたり、傾いていないのに傾いているように感じたりする感覚が生じ、それがめまいとして認識されるのである。

女性に症状出やすい“めまい” 前庭の機能衰える高齢者にも…

では、どのような人がめまいの症状を感じやすいのか。

「女性ホルモンの影響だったり、筋肉量が男性に比べて比較的少なかったりすることから、一般的にめまいは女性に多い」と八木助教は話す。

新潟大学耳鼻咽喉科 八木千裕 助教
新潟大学耳鼻咽喉科 八木千裕 助教

筋肉量が少ないと体を支える力が弱くなることからバランスが取りにくくなり、ふらつきやめまいの感じやすさにつながる。

さらに、年齢が上がるごとに有病率が高くなるという報告もあるという。

八木助教によると65歳以上だと2割~3割、80歳以上だと半分以上の人がめまいやふらつきを自覚しているということだ。

イメージ
イメージ

年齢を重ねると耳の聞こえが悪くなるだけではなく、バランスのセンサーである前庭も年齢の影響を受けることが分かっている。

筋肉も落ち、前庭の機能も衰える高齢者は特にめまいの症状が出やすくなるのだ。

自宅で気軽にできる予防法

では、予防のため、症状を少しでも軽くするためにはどのような方法があるのか。

八木助教は「前庭リハビリテーション、あるいは筋力を落とさないための歩行訓練などはめまいやふらつきの予防、軽減に有効である可能性がある」と話す。リハビリとして有効な方法を聞いた。

〈1〉親指を立てて、顔の前に出す
〈2〉親指の爪を見たままで首を左右に振っていく

これを左右に20回ずつ、また上下に首を振る動作も同じ要領で20回、数を数えながら行う。ポイントは常に視線を外さず親指の爪を見続けること。

八木助教はこのリハビリについて「首を動かすとともに目が動く。目と前庭は非常に強いつながりがあるので、目を動かすことで前庭への刺激にもなる」と効果について語る。

頻度については一日2回10分程度、毎日行うことが好ましいという。

若い年代でもストレス・不規則な生活で症状表れることも

めまいは年齢が上がるほどに症状が出やすくなる一方で、若い年代ではストレスや不規則な生活が原因で症状が表れることもあるため、日頃から規則正しい生活を心がけることも重要だ。

めまいがなかなか収まらない、めまいと同時に激しい頭痛がある、話しづらくなるなどの症状が出た場合にはできるだけ早く医師に相談してほしい。

この記事に載せきれなかった画像を一覧でご覧いただけます。 ギャラリーページはこちら(14枚)
NST新潟総合テレビ
NST新潟総合テレビ

新潟の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。