東京都医学総合研究所は、脊髄を損傷して歩けなくなった人が「人工神経接続システム」を使って、再び自分の意思で足を動かす実験が成功したことを明らかにしました。
脊髄損傷により、脳と脚をつなぐ神経が途切れて下半身麻痺がおこり、歩くことができなくなります。
東京都医学総合研究所が開発した人工神経接続システムは、体の外にあるコンピューター・インターフェースが、腕の筋肉の動きから生体信号を読み取り、電磁パルスを利用して脊髄の損傷した部分を迂回し、脚の神経回路に信号を伝えるというものです。
研究所によりますとリハビリでも歩行機能の回復が見込まれなかった患者が、システムを使って足を前後に動かすことに成功したということです。
研究所の西村幸男プロジェクトリーダーは、「これまでは外科手術で電極を体内に埋め込む必要がありましたが、今回のシステムは体に負担が少なく安全性が高いため、より多くの人が歩けるように回復できる可能性が示された」と話しています。