大阪・泉佐野市の職員らが『赤ちゃんポスト』や『内密出産』の先進事例を学ぼうと26日、熊本市の慈恵病院を視察しました。

泉佐野市は来年度、全国で初めて自治体主導で取り組む方針です。

慈恵病院を訪れたのは、泉佐野市の職員や、連携して取り組む予定のりんくう総合医療センター産婦人科の医師など19人です。

親が育てられない赤ちゃんを匿名でも預かる『こうのとりのゆりかご』の見学では、りんくう総合医療センター関係者が赤ちゃんの人形の預け入れを体験し、その後の対応などについて慈恵病院から説明を受けました。

そして、蓮田 健 理事長が匿名性の担保や相談員が女性に寄り添うことの大切さについて話した上で、法制化されていない日本で民間ではなく、自治体が主導して取り組む場合に考えられる課題について話しました。

【蓮田 理事長】
「どんな局面で、誰が責任を取るのか、誰が意思決定するか、私が自分でしている。責任分担をどうするか」泉佐野市は来年度、『赤ちゃんポスト』や『内密出産』の取り組みを始める方針で、今後、市と病院によるワーキンググループを立ち上げる予定ということです。

【泉佐野市こども部 島田 純一 部長】
「熊本市と違うのは、政令市ではないので泉佐野市で児童相談所は持てない。その措置権がなく、大阪府に頼らないといけない。行政主導では病院にとっても法整備は必要と思う」

【りんくう総合医療センター 松岡 哲也 院長】
「法整備を訴えながらいい形になるように前例を公的医療機関としてつくるのも我々の役目と感じた」

【りんくう総合医療センター 荻田 和秀 産婦人科部長】
「りんくう総合医療センターはいわゆる未受診妊婦を現状でも受け入れていて、医学的リスク、経済的、社会的リスクを理解するという意味ではそれほどハードルは高くない施設と自負している」

【スタジオ あとコメ】
慈恵病院の蓮田健理事長は先ほど会見で「泉佐野市とりんくう総合医療センターの皆さんの積極的に取り組もうという姿勢がうれしかった。今後、紆余曲折あるかと思うがこれが大きな突破口となり国が対応せずとも自治体レベルでの取り組みが広がるのではと期待している」と述べました。泉佐野市の視察団はあすは熊本市の担当課や児童相談所、妊娠内密相談センターなどから行政の役割について話を聞く予定です。

テレビ熊本
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