すでに販売が始まっている年賀はがき。
お正月の風景の一つですが、年賀状をめぐる環境は年々厳しさを増しているようです。
10月30日、全国一斉に年賀はがきの販売が始まりました。
日本郵便によりますと、来年用の年賀はがきの販売予定枚数は7億5000万枚。
SNSの普及などもあり、前年より3割減少しているといいます。
かつては「お正月の風物詩」だった年賀状。
今年準備するかどうか街で聞いてみるとー
◆90代
「あんまり出さない」
◆60代
「出してます。でも減っています」
◆20代
「今年からはもうちょっとめんどくさいんで、全部LINEにしようかなと」
出さない、減らしているといった人が多くなる中、影響は年賀状を扱う店にもー
◆カメラのキタムラ ミーナ天神店 松本憲明 店長
「例年並みなんですけどやっぱり少ない。今のところは」
こちらでは絵柄が付いたもののほか、写真を持ち込んで印刷するタイプの年賀状も取り扱っていますが、資材高騰の影響もあり、はがき代込みの価格を去年に比べ約1割値上げしました。
値上げの影響もあり、去年より注文は少なくなると見込まれる中、今年から始めたのが…
◆カメラのキタムラ ミーナ天神店 松本憲明 店長
「最低10枚から受付をしていたのですが、5枚から受付に変更しました」
店頭で注文できる写真付きの年賀状は、最低枚数5枚で1980円から注文できるようにしました。
また、オプションで宛名やデザインなどすべてを任せられるプランも用意し、なんとか多くの注文が入るように苦心しています。
◆カメラのキタムラ ミーナ天神店 松本憲明 店長
「気持ちの良いサービスをしっかりさせていただいて、また年賀状を出したいというお客様が1人でも増えたらと思っています」
一方、年賀状関連商品を扱う雑貨店では、絵柄入りのはがきのほか、来年の干支「午(うま)」をモチーフにしたシールやスタンプなど、年賀状をデコレーションするグッズを取りそろえています。
ただ、その中で目立っていたのが―
◆天神ロフト 岩崎弥生さん
「こちらが今年拡大した『年賀状じまい』のコーナーです」
今後の年賀状の辞退を伝える、いわゆる『年賀状じまい』。
コーナーには印刷された専用のはがきやシール、スタンプが並びます。
◆天神ロフト 岩崎弥生さん
「今年は各メーカーから(年賀状じまいの)新しい商品がでていまして、拡大しました。若い方はもちろんですが、年賀状を作るのが難しくなってきたご年配の方など幅広い方からお問い合わせいただいています」
SNSでの年始のあいさつが定着しつつある今、「お正月の風物詩」は過渡期を迎えています。
実際にどれぐらい年賀状離れが進んでいるのか、20代~60歳以上まで幅広い年代に聞いた最新のアンケート結果によると、紙の年賀状を出す人は34.9%、おおよそ3人に1人ということです。
ただ、新年の挨拶をしないという訳ではなく、LINEやSNSなどデジタルの年賀状を出すという人が全体のほぼ半分の49%となっています。