例年、12月頃から流行するインフルエンザだが、2025年は県内で早くも『注意報』が発表されている。こうしたなか、気付かぬうちに感染を広めてしまう“隠れインフルエンザ”に注意が必要だ。

「1カ月ほど前倒しでピーク来ている」

2025年11月25日の朝の福岡市西区のクリニック。発熱や喉の痛みを訴える患者が詰めかけ、インフルエンザの検査を受けていた。

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『井上さとし内科』院長の井上聡さんによると「10月から少しずつ増えていて、11月は毎日、沢山のインフルエンザの患者さんがいらっしゃいます。例年だと12月~1月くらいなんですが、1カ月ほど前倒しで、ピークというか波が来ている」という。

早くもインフルエンザが猛威をふるう福岡県内。11月13日には、昨シーズンより3週間早く『注意報』が発表された。最新の情報では、1医療機関あたりの感染者数が「20・89」と、前の週の約1.6倍に増加している。

異例のスピードで感染が広がるその要因のひとつが“隠れインフルエンザ”だ。

「ただの風邪」と思い込み受診せず

井上院長は「典型的なインフルエンザは高熱、喉の痛み、関節痛などあるんですけど、熱があまり出なくて、倦怠感、頭痛とかちょっとしたのどの痛みで放置してしまい、あとから見てみるとインフルエンザだったと判明する」と話す。

通常のインフルエンザと比べ症状が軽い“隠れインフル”。患者自身が「ただの風邪だ」と思い込んで病院を受診せず、気づかぬうちに感染が広がるケースがあるという。

「症状はそうでもなかったのに、ご家族に伝染しちゃって、ご家族は強い症状が出てしまって…。重症化すると肺炎を起こしたり脳炎を起こしたり、命にかかわる状況になります」と井上院長は警鐘を鳴らす。

“隠れインフル”によるさらなる感染拡大が懸念されるなか、福岡県は、体調に違和感があれば早めに医療機関で受診するよう呼びかけている。

(テレビ西日本)

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