2013年、「餃子の王将」の運営会社の社長が射殺された事件の初公判が、きょう=26日午後に開かれ、特定危険指定暴力団工藤会系組幹部の田中幸雄被告(59)は起訴内容を否認し”無罪”を主張しました。
■弁護側「捜査期間から見て排除すべき人物だが、犯人ではない」
以下は、弁護側が公開した冒頭陳述要旨です。
第1 被告人は犯人ではない
被告人は、事件当日、福岡県にいた可能性がある。可能性がある、という表現になるのは、事件当日が、被告人にとっては特別な日ではないからである。
冤罪が生まれる大きな原因の1つとして、被告人とされたものにとって事件当日が特別な日でないため、確実なアリバイを主張できないことがある。これは、最大の困難であり不幸である。もう1つとして、被告人が捜査機関から見て目立つ人物、排除すべき人物である場合である。弁護人も、被告人が捜査機関から見て被告人がそのような人物であることは否定しない。しかし、被告人は犯人ではない。
弁護人は、弁護人請求の証人によって被告人が事件当日に福岡県にいた可能性を立証する。
■弁護側「ジャンクサイエンスを徹底的に排除」
第2 弁護人のスタンス
1 検察官請求証拠に対して
検察官は、間接事実によって被告人の犯人性を立証しようとするが、弁護人は、そのいずれもが、決め手になるものではないことを指摘していく。特に弁護人が問題とするのは、検察官立証の一部である科学的立証が、本来の意味での科学的立証となっているか、という点である。いわゆるジャンクサイエンスも冤罪の原因である。弁護人は、ジャンクサイエンスを徹底的に排除していくものである。
2 審理について
世間の耳目を集める本件の管理について、弁護人が追及するのは、検察官の公正さであり、裁判所の公正さである。
同じ立証テーマについて、後から出てくる証人の証言が詳しくなったり するなど、不正打ち的な立証がされるようなことが仮にはあれば、弁護人はこれを許さない。
弁護人は適正手続の費義を求め続ける。
以上
■公判は全12回 来年10月16日に判決
特定危険指定暴力団工藤会系組幹部の田中幸雄被告(59)は、2013年、何者かと共謀し、王将フードサービスの社長だった大東隆行さん(当時72歳)を射殺した殺人などの罪に問われています。
田中被告は、起訴内容について問われると、こう力強く答えました。
【田中幸雄被告】「私は決して犯人ではありません。任侠の志として濡れ衣の一つや二つ、甘んじて受け入れます。だからと言ってセンセーショナルな事件まで到底承服できない」
公判は全12回で、来年の3月23日まで証拠調べが続き、来年6月29日結審、10月16日に判決を迎える予定です。