2013年12月19日、「餃子の王将」の運営会社の社長が射殺された事件の初公判が、きょう=26日午後1時半過ぎに開かれ、被告の暴力団の男は起訴内容を否認し”無罪”を主張しました。
一方、検察側は冒頭陳述で「12月17日から19日の間、組員らに『旅行に行く』『電話は出られない』などと伝えて音信不通になり、組事務所への出入りもなかった」などと指摘しました。
■検察側は”音信不通”と”意味深な言葉”指摘
特定危険指定暴力団工藤会系組幹部の田中幸雄被告(59)は、2013年、何者かと共謀し、王将フードサービスの社長だった大東隆行さん(当時72)を射殺した殺人などの罪に問われています。
この事件ではこれまで、田中被告のものとDNA型が一致するたばこの吸いがらや、乗り捨てられたバイクは見つかっていますが、自白や、目撃証言はなく、いわゆる「間接証拠」のみとなっています。
さらに、最大の謎といえる「動機」もいまだ不明です。
検察側は冒頭陳述で「事件後、被告は『警戒を解いてはいけない。息をひそめて深海魚のように』と携帯に入力した。
12月17日から19日の間、組員らに『旅行に行く』『電話は出られない』などと伝えて音信不通になり、組事務所への出入りもなかった」などと指摘しました。
■弁護側「いずれも決め手ではない」
一方、弁護側は冒頭陳述で田中被告について「当日福岡にいた可能性がある。なぜ可能性かというと当日は田中さんにとって特別な日ではないから。
冤罪が起きる理由の1つとして、当日が特別でない日であるため確実な主張ができないことが挙げられる」と主張。
検察側は「間接証拠」で立証しようとしているものの、弁護側は「いずれも決め手ではない」としています。
判決は来年10月に言い渡される予定です。