シニア世代の憩いの場です。長野県小諸市で、地域のお年寄りが集まり、おしゃべりや食事などを楽しんで人の輪を広げようと、「シニア食堂」の取り組みが始まりました。
11月20日、小諸市のとある飲食店に、続々と人が集まってきました。多くが70歳以上のシニア世代です。
すると―。
「第1回目にかんぱーーい」
参加者:
「自分を人間だと思っている犬なのね」
ペットの話をしたり、ケーキと紅茶を味わったり。
参加者:
「おいしいです。皆さんの声、聞いたりね」
店内のあちこちで楽しそうに盛り上がっています。
これは、地元の住民でつくる実行委員会が、初めて開いた「みんなの食堂」という取り組み。人の輪を広げ、孤立を防ごうという狙いで、いわば子ども食堂のシニア版です。
「みんなの食堂」実行委・楚山伸二さん:
「月に1回でも2回でも他の人とおしゃべりをしながら食事するのが、すごく生きがいになるということで。高齢者の方が集まるシニア食堂みたいな感じです」
飲食店を貸し切って開かれ、参加費は飲食代も含めて1人500円です。
参加者:
(出身は)「坂の上小学校、中学は小諸中で」
思い思いに楽しむ参加者たちですが、楽しみはおしゃべりや食事だけではありません。
参加者:
「世界中の人が一緒にお祝いする赤ワインのお祭りですから」
11月20日は、ボジョレーヌーボーの解禁日。参加者でもある献立評論家の女性が講師となり、ワインとチーズの楽しみ方の講義も。
献立評論家:
「目で見て色を楽しみます。それから次は鼻で匂いをかぎます」
参加者(80代):
「まず目で、匂いも。あーいい匂いだね。デリシャス」
会場は大盛り上がりで予定時間の1時間はあっという間に過ぎました。
参加者(70代):
「私は億劫な方なので、あんまり出ないんですけど、紹介で。皆さんで食べる方がおいしいです、1人より」
参加者(80代):
「年寄り同士でもいろんな話をすると、人生これから楽しいことがまだまだ多くなるんじゃないかと思えていい」
「みんなの食堂」実行委・楚山伸二さん:
「次回も楽しみに『また来たい』なんておっしゃっていたので、とてもよかった。また他の場所にもだんだん広がって、市内全体でそういう取り組みがいろんな所でできてくればいいなと思います」
実行委員会は、月に1回の開催を予定していて、次回は12月18日に行われます。
今後は、「終活」や「健康」をテーマにした講義も企画しているということです。