テレビ宮崎の夕方ニュース「#Link」でお天気コーナーを担当している気象予報士・古山圭子さんが天気の豆知識を解説するコーナー。今回は、「紅葉が美しくなるための気象条件」についてお伝えします。

美しい紅葉には「き・れ・い・に」の法則があった!

この時期のお出かけといえば、どこに何をしに行きましょう?そうです、「コウヨウ見に行コウヨウ!」 というわけで、今回はさっそく、美しい紅葉を見るための4つの条件を紹介します。その覚え方は、なんと「き・れ・い・に」。それぞれの頭文字が、重要な気象条件を示しているのです。

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「き」:気温差(1日の寒暖差が大きいこと)
「れ」:冷却(朝晩がしっかりと冷えること)
「い」:痛み(台風や強風で葉が傷んでいないこと)
「に」:日照(日中にたっぷりの日差しがあること)

葉が色づくためには、まず日中の光合成で糖分が作られ、夜の冷え込みでその糖分が葉に蓄えられる必要があります。この寒暖差が大きいほど、赤色の色素「アントシアニン」が生成されやすくなり、鮮やかな赤色になるのです。

また、今年は大きな台風の被害が少なかったことや、11月中旬にかけて晴天が多く、日照時間が十分に確保されたことも、美しい紅葉への期待を高める要因だと古山予報士は説明します。

決め手は「水辺」?写真で見る絶景の共通点

4つの条件が揃い、「ザ・ベスト・オブ・モミジ狩りウィークエンドとなりそう」と話す古山予報士。しかし、解説はこれだけでは終わりませんでした。

古山予報士:
「実はもう一つポイントがあるんですよ」
そう言って紹介されたのは、視聴者の皆さんから寄せられた、息をのむほど美しい紅葉の写真でした。

まずは、延岡市の日高利昭さんが撮影した北川沿いの紅葉です。とてもきれいに色づいています。 

そしてもう一枚は、西米良村すまいる課の浜砂さんが撮影した、都城市のスノーピーク都城キャンプフィールドの写真。こちらも水辺の木々が鮮やかに色づいています。

古山予報士は、これら2枚の写真に隠された「ある共通点」を指摘します。それは、どちらも「水辺」で撮影されたということでした。

なぜ水辺の紅葉は美しいのか

実は、美しい紅葉には「適度な湿度」も欠かせない要素なのです。
川や湖の近くは、空気中に適度な水分が含まれているため、葉が乾燥しすぎるのを防いでくれます。葉が潤いを保つことで、色づきがより一層鮮やかになり、美しい状態が長く続く傾向にあるのです。

言われてみれば、県内の紅葉の名所として知られる高千穂峡や日之影町の見立渓谷、五ヶ瀬町の白滝、都城市の関之尾公園なども、美しい水辺にあります。

気象の知識が一つ加わるだけで、いつもの紅葉狩りが少し違って見えるかもしれません。この三連休、紅葉を見に行くときは、「き・れ・い・に」の条件と「水辺」というキーワードを思い出してみてはいかがでしょうか。

(テレビ宮崎)

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