2012年からすべての原子炉が停止していた東京電力・柏崎刈羽原発に大きな動きです。花角知事は11月21日に会見を開き、再稼働を容認する考えを示しました。この判断を下した花角知事を信任するかが12月県議会に諮られることになりますが、再稼働した場合、東京電力の原発としては福島第一原発事故後初めてとなります。
■花角知事 柏崎刈羽原発の再稼働めぐり臨時会見へ
【齋藤正昂アナウンサー】
「午前9時16分、花角知事が新潟県庁に到着しました」
11月21日朝、柏崎刈羽原発の再稼働について夕方に臨時会見を開くと発表した花角知事。
【花角知事】
「意気込みとかはない。(Q.気持ちが固まったということか)そうですね、判断を。(Q.再稼働について容認する姿勢を話すのか)会見でお話しする」
報道陣の問いかけに多くは語りませんでした。その後は来年度の県の施策や予算についての要望に訪れた県市長会と面会。
【花角知事】
「しっかりと話を伺い、皆様のお考えを受け止めた上でしっかり来年度予算にどのように反映させていけるのか知恵を出していきたい」
気になるのは、非公開の場で再稼働についての話があったかどうかですが…
【花角知事】
「(Q.原発に関する話は一切出なかった)全くなかった」
一方、長岡市では花角知事が夕方に再稼働の判断を示すことについて、記者からの質問に答える形で磯田市長が言及。
【長岡市 磯田達伸 市長】
「県民意識調査で示された民意の状況を見ると、まだ判断するには少し早い。もっと対策をやるべき、あるいは県民の理解を進めるべきというのが私の考え」
改めて時期尚早との認識を示しました。
午後になると県庁周辺でも動きが。市民団体が県民意識調査で「再稼働への不安が明らかになっている」「県民の意思を見極めたとは思えない」と抗議の声をあげました。
■再稼働“容認”を表明「国の対応を確認・確約いただいた上で了解」
騒然とする中、臨時会見の時間が迫ります。
柏崎刈羽原発のすべての原子炉が止まってから13年…花角知事が再稼働についての判断を表明しました。
【花角知事】
「7つの項目について、国の対応を確認・確約をいただいた上で新潟県としては了解することとする」
こう話し、原発の必要性・安全性について県民に丁寧に説明を行い、伝わるように努力すること、避難道路の整備などを迅速かつ集中的に行うこと、電源三法交付金の見直しなど7つの項目に対する国の対応を確認した上で、再稼働容認する考えを示しました。
【花角知事】
「県民の意見は再稼働に肯定的な方と否定的な方が大きく分かれている状態だと思っているが、これまでの安全対策防災対策の取り組みについて正確な情報を県民に提供していく、周知をしていくことを継続していけば、つまり認知が上がっていけば再稼働に対する理解も広がるものではないかというふうに判断した」
■“県議会”で自身の信任問う「プロセス・やり方含めて判断を」
その上で、自身の判断について「信を問う」という意味は再稼働の賛否を問うものではない話し、県民の代表である議会で信を問う考えです。
【花角知事】
「7年かけて進めてきた原発に関する手続きプロセス・やり方に対する評価も含めてご判断いただきたい。引き続き、私に任せていただけますかということを決めていただきたい。信任できないということであれば、知事の職務を続けるべきでないと県議会が判断されるのであれば辞めたい」
花角知事の再稼働容認の判断についての評価は12月開会する12月県議会に委ねられることになります。
【解説】会見のポイント
花角知事の会見のポイントを改めて見ていきます。
まず、花角知事は柏崎刈羽原発の再稼働について容認する考えを示しました。
〈Q.単純に容認とはならなかった〉
避難道路の整備や電源三法交付金の見直しなど、7つの項目について国の確約を得ることが条件となっています。
〈Q.これまでの知事会見でも質問が相次いでいた“信を問う方法”についても結論が示された〉
花角知事は「信を問うというのは再稼働に対する賛否を問うものではない、存在をかけるという意味で議会に今回の判断を下した。自身を信任できるかどうか評価してもらう」と話し、議会で信を問う考えを示しました。