がんを患いながら芝居を続け2025年6月に亡くなった、札幌在住の俳優で演出家、脚本家の斎藤歩さん。

11月、斎藤さんとの別れをしのぶお別れ会が開かれた。

演劇人・斎藤歩さん お別れの会

札幌市中央区の劇場「シアターZOO」。

開かれているのは、がんのため6月に亡くなった斎藤歩さんのお別れの会だ。

会場には斎藤さんが出演した舞台の映像のほか、セットや小道具などが展示された。

劇場「シアターZOO」
劇場「シアターZOO」
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釧路生まれの斎藤さん。

北大の学生時代に舞台演劇に出会い、役者の道に進んだ。

セットや小道具などが展示された
セットや小道具などが展示された

がん“余命半年”でも舞台へ―

数多くの映画やドラマに出演しながら、北海道を大切に活動を続けてきた。

しかし。

「ご存じのように末期がんということを言われまして。余命半年。医者からは半年ごとに言われている、余命半年だって」(斎藤歩さん)

2021年秋、尿管にがんが見つかった。

それでも痛みを我慢しながら、斎藤さんは舞台に立ち表現を続けた。

舞台に立ち続けた斉藤さん
舞台に立ち続けた斉藤さん

「自分の思いをすごく大切に」 ナレーター務めたことも

これは2006年、アスベストの危険性を訴えたUHBのドキュメンタリー番組「漂流する棘」だ。

ナレーターを務めたのは斎藤さん。

ドキュメンタリー番組「漂流する棘」
ドキュメンタリー番組「漂流する棘」

妻の西田薫さんは当時をこう振り返る。

「初めて(映像を)見たときの自分の思いをすごく大切にしている。できるだけ歩はナレーションの仕事でも何度も練習しないで、本番の時に実際に初めて(映像と)出会って表現することを大切にしていた」(斎藤歩さんの妻 西田薫さん)

エンドロールには斎藤さんの名前が
エンドロールには斎藤さんの名前が

舞台と同じく沸き上がる感情をナレーションでも表現していた。

妻・西田薫さん
妻・西田薫さん

多くの仲間が別れをしのぶ

「ステージ数にして800近いステージ数を歩さんとやりました。とにかくのんべぇでした」(照明を担当した 熊倉英記さん)

大勢のファンに混じり、ともに演劇を作り上げてきた関係者も集まったお別れの会。

「本番で歩、ものすごく痛いのにアドリブでものすごく(出演時間を)伸ばした」(西田薫さん)

笑いあり、涙あり。

斎藤さんを語り合う優しい時間が流れていた。

大勢のファンや関係者も集まる
大勢のファンや関係者も集まる
北海道文化放送
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