10月、岩手県雫石町に木材や漆などを使った様々なアート作品を楽しめる複合施設がオープンしました。
岩手らしい作品の魅力を発信する場所となっています。

岩手山の麓、雫石町長山で築30年以上のペンションをリノベーションし10月10日にオープンした「HOUSE SHIZUKUISHI」です。

「HOUSE SHIZUKUISHI」は、南部アカマツを使ったアート作品などを販売するギャラリーや工房、カフェを併設する複合施設です。

HOUSE SHIZUKUISHIオーナー 鈴木勝さん
「(雫石で開催された)世界アルペン(1993年)のころに建てられたペンション。当時で言うと、一番でかいサイズ」

オーナーの鈴木勝さん(58)は、“南部鉄”を使ったアクセサリーなどを手掛ける作家です。

大阪市出身で建築関係の仕事をしていた鈴木さんは、仕事で訪れた岩手県で「南部アカマツ」や「南部鉄」などに出会いました。

HOUSE SHIZUKUISHIオーナー 鈴木勝さん
「私のルーツは、自分の父親が鉄工所の小さい町工場の経営者。ここに来て自分の人生が『鉄』に戻ったかと思った」

この出会いがきっかけで、20年以上前に雫石町に移住して工房を開設しました。
多くの人に作品を楽しんでもらおうと、使われなくなったペンションを購入し自らリノベーションし、10月10日に「HOUSE SHIZUKUISHI」をオープンさせました。

HOUSE SHIZUKUISHIオーナー 鈴木勝さん
「廊下から作品を見てもらいたいので、飾れるようになっています」

ギャラリーには鈴木さんが作った「南部鉄」と「漆」が融合したパターやアートタイルの作品など、岩手にゆかりのある素材を使ったアート作品が並んでいます。

また鈴木さんは、施設内の工房を他の作家にも貸し出しています。

そのひとりが、岩手県の代表的なクラフト製品のひとつ「ホームスパン」の作家・猪又裕也(41)さんです。

猪又さんは町内で「旅する羊」という工房を開いていましたが、毛織物をつくる過程を直接客に見てもらう機会を求めて、工房を移しました。

旅する羊 猪又裕也さん
「お客さまにも、商品を見て選んでいただける場所、どのようにホームスパンが生まれてくるかを、ライブ感覚で楽しめる場所を作りたいと思った。来てよかったという感じです」

施設内にはハーブティー専門のカフェもあり、季節ごとに厳選されたお茶の香りを楽しみながら、ゆっくりとしたひと時を過ごすことができます。

HOUSE SHIZUKUISHIオーナー 鈴木勝さん
「今までやってきた南部鉄アクセサリーだけでなく、同居する様々な職人さんや工芸品、アートワークの品が、どう化学反応するか一番の楽しみ」

豊かな自然の中で様々なアート作品を発信する新たな施設。
窓から見える風景は、これから紅葉から雪景色へと移り変わっていきます。

岩手めんこいテレビ
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