この週末に行われたレースでお披露目された、トヨタの水素エンジン車。
進化の秘密は、リニアモーターカーにも使われているあの技術です。

週末、静岡県の富士スピードウェイのイベント広場で行われていたのは、日本とアメリカの自動車文化の交流を目的としたイベント。
そこに現れたのはトヨタ自動車の豊田章男会長です。

トヨタ自動車・豊田章男会長:
大谷翔平とかいろんな選手がアメリカでやっている。そんな感じでモータースポーツもやれるような兆し。期待が持てるようなものになっていけばいいなと思う。

モータースポーツを日米の懸け橋に。
そしてこの後、サーキットでは豊田会長もドライバーとして参戦する耐久レースがスタート。
注目は、トヨタが開発中の水素エンジン車です。

ガソリンなどの代わりに水素を直接燃やし、二酸化炭素をほとんど排出せずに走る水素エンジン車。
市販化に向けて2021年から開発を始め、当初は気体の水素を搭載していましたが、2023年からはより多くの燃料を積めるよう液体水素に。

さらに、タンクの形状を変えてより多くの燃料を積めるようにするなど、1回の燃料充填(じゅうてん)での航続距離は気体のときに比べ3倍近くに伸びました。

そしてこの日、初めてお披露目されたのが超電導水素エンジン車。
実は、リニアモーターカーなどにも使われている超電導の技術が活用されています。

これまでタンクの外にあった燃料をくみ出すポンプ用のモーターをタンク内に移動させることで空きスペースを作り、その分、タンクの容量をこれまでの1.3倍に大きくすることが可能に。

航続距離を大きく伸ばせるなど、さまざまなメリットがあるといいます。

トヨタGRカンパニー・高橋智也プレジデント:
豊田会長と一緒に水素社会の未来を作ろうということをぶれない意思として進めて来られたからこそ今があるのだと思う。一歩一歩着実に地に足をつけて進んでいく。それがサステナブルな社会基盤を作るということだと思う。

進化のスピードがますます加速している水素エンジン車。
挑戦はさらに続きます。