クボタの「コンセプトトラクタ」が話題

トラクターと言えば、田畑などを耕す際に用いる農業機械だが、今Twitter上でクボタのトラクターが「かっこいい」「乗りたい」などと話題になっている。

まずは、そのトラクターを見てほしい。

(提供:クボタ)
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黒とオレンジ色のカラーリングで、未来を感じさせるスタイリッシュなデザインが特徴的なこのトラクター。1970年の大阪万博で「夢のトラクタ」を出展してから50年、創業130周年を機に発表した「コンセプトトラクタ」だという。今年1月の製品展示会で公開された。

AI(人工知能)などが備わった“完全無人の自動運転トラクター”で、クボタが描く“未来農業のビジョン”を表しているのだという。

開発の背景にあるのは、農業の高齢化。

日本国内の農業は高齢化に伴う離農が増える一方で、農作業の委託などによって営農(=農業を経営すること)規模の拡大が進んでおり、自動運転の農業機械の普及が期待されているのだ。

こうした中、発表された「コンセプトトラクタ」。

デザインがとにかくかっこいいのだが、何かモチーフがあるのか? また、名前に“コンセプト”とあるが、このままのデザインで実用化される可能性はあるのか?

クボタの担当者に話を聞いた。

デザインのモチーフは「牛」

――「コンセプトトラクタ」のデザインがネット上で話題になっている。どう受け止めている?

「コンセプトトラクタ」のお披露目に際し、SNSを中心に様々な意見を頂きました。

好意的な意見がある一方、農道や圃場(=はたけ)に無人でこんなロボットがいたら怖い、デザイナーは機械を全くわかっていないなど、厳しいご意見もありました。

コンセプトモデルで世にデザインを問う意味では大成功であり、期待と評価を真摯に受け止め、あるべき姿へと模索し続けていきたいと感じています。

(提供:クボタ)

――デザインが非常にスタイリッシュ。モチーフは何?

デザインを進める上で最も意識したことは、1960年に発売されたクボタの乗用トラクタ初号機である「T15」です。

クボタの乗用トラクタ初号機「T15」(提供:クボタ)

当時、そのスタイルはとても斬新で、スタイリッシュに感じたと思います。

また、昔の農家には必ず、「牛」の存在がありました。牛はとても大切にされ、愛されていたと聞きます。

我々はその牛の存在を、トラクタのデザインに投影しています。牛の無駄のない肉付きや踏ん張る姿勢は、とても魅力的であり、常に造形のヒントにしています。

“コンセプトモデル”である「コンセプトトラクタ」のフェイスは、牛をモチーフとし、力強さと親しみを込めています。

牛(画像はイメージ)
(提供:クボタ)

このデザインで実用化するかどうかは未定

――このままのデザインで実用化する可能性はある?

コンセプトとして提案させていただいたものであり、このままのデザインで実用化するかどうかは未定です。


――実用化に向けて開発している“完全無人の自動運転トラクター”はどのようなデザイン?

現在、検討中です。


――現状、どの程度、開発が進んでいる?

現在、鋭意推進中です。

自律的に農作業を行うトラクター

――どのような機能を搭載する予定?

圃場(=はたけ)の状態を機械自身が認識・判断し、自律的に農作業を行います。


――どのような用途で使われることを想定している?

農家の方が直接、圃場に出向くことなく、例えば、自宅の一室や事務所などで複数台の無人トラクタの稼働状態を遠隔監視する中で、トラクタが自動的に無人で作業を行っていく、という作業形態を想定しています。


――完成および発売はいつ頃?

未定です。

(提供:クボタ)

実用化における3つの課題

――では、実用化するためにはどのような課題があるの?

“完全無人の自動運転トラクタ”を実現するためには、以下の3つの課題があります。

(1)高性能な周囲認識センサなど、「安全性確保のための技術開発」

(2)無人での公道走行を可能とする道路交通法の緩和など、「各種法整備や特区の設定」

(3)遠隔監視のための「高速通信インフラ」


農業の高齢化を背景に、クボタが開発を進めている“完全無人の自動運転トラクター”。Twitter上でデザインが「かっこいい」と話題になっているが、これはあくまでもコンセプトモデル。だが実用化の際にも、これに近いデザインが採用されることを期待したい。

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