マイページ
小泉八雲と妻セツは “言語の壁”をどう乗り越えた?創意工夫で生まれた“世界で二人だけの言語”が『怪談』を生んだ|FNNプライムオンライン

小泉八雲と妻セツは “言語の壁”をどう乗り越えた?創意工夫で生まれた“世界で二人だけの言語”が『怪談』を生んだ

Google ニュース プリファードソース

【歴史考察】小泉八雲と妻セツ

二人だけの共通言語の完成

熊本に転居してからは、ハーンに懇願して英語を教えてもらうようにもなる。同居してから2年が過ぎた明治26年(1893)頃には、ハーンから聞き取った英単語の意味や発音が、2冊分のノートをぎっしりと埋めていた。ハーンとの会話に欠かせないオリジナル辞書。「エテエズ(it is)」「ヒーエズ(he is)」など、発音が出雲訛りなのはご愛嬌…。

松江市の「小泉八雲旧居」。隣接する小泉八雲記念館にはセツの単語帳も収蔵されている
松江市の「小泉八雲旧居」。隣接する小泉八雲記念館にはセツの単語帳も収蔵されている

また、この頃になるとハーンのほうも、2年間の日本暮らしで覚えた日本語の単語や慣用句がさらに多くなっていた。これにセツが駆使する出雲訛りのカタカナ英語をくわえて、お互いの意思を伝え合うには困らないほどに語彙が増えている。

ハーンはあいかわらず助詞が使えず、動詞や形容詞の活用ができず、語順も日本語より英語に近かったのだが。セツもそっちのほうが理解しやすいだろうと、ハーンを真似た日本語文法を無視した喋り方をするようになる。二人の間で交わされる共通言語「ヘルン言葉」の完成である。

ヘルン言葉は進化しつづけた

ヘルン言葉は他人が聞いてもすぐには理解できない。松江では一、二を争う英語スキルをもつ西田千太郎でも、首を傾げてしまっただろう。だが、ハーンが後世にまで伝えられる文豪となるには、これが不可欠のツールだった。

関連記事

【歴史考察】小泉八雲と妻セツ

【よく一緒に読まれている記事】
小泉八雲と妻セツの出会いは失礼すぎる“体型ディス”で始まった?最悪の第一印象からなぜ惹かれ合ったのか
小泉八雲と妻セツの出会いは失礼すぎる“体型ディス”で始まった?最悪の第一印象からなぜ惹かれ合ったのか
青山誠の他の記事
日本のナイチンゲール大関和、なぜか弾き語りで10歳年下男子のハートを射貫く!?新天地・高田と廃娼運動【朝ドラ『風、薫る』】
日本のナイチンゲール大関和、なぜか弾き語りで10歳年下男子のハートを射貫く!?新天地・高田と廃娼運動【朝ドラ『風、薫る』】
エンタメ
明治の「看護婦」は医師から小間使い扱い。大関和と盟友・鈴木雅が偏見と闘い地位を勝ち取るまで【朝ドラ『風、薫る』】
明治の「看護婦」は医師から小間使い扱い。大関和と盟友・鈴木雅が偏見と闘い地位を勝ち取るまで【朝ドラ『風、薫る』】
エンタメ
明治のシンママ大関和の就職難。文明開化の東京で最強のスキル「英語」を身につけ高収入を狙うが…【朝ドラ『風、薫る』】
明治のシンママ大関和の就職難。文明開化の東京で最強のスキル「英語」を身につけ高収入を狙うが…【朝ドラ『風、薫る』】
エンタメ
常識より己の心に従う!“日本のナイチンゲール”大関和は圧強めのお嬢様?妾を囲う夫を激詰めして…【朝ドラ『風、薫る』】
常識より己の心に従う!“日本のナイチンゲール”大関和は圧強めのお嬢様?妾を囲う夫を激詰めして…【朝ドラ『風、薫る』】
エンタメ
一覧ページへ
×