圧倒的ワーストはロシア
取材中、路上での駐車違反を多く目撃したのが、頭に「79」の数字が付いたロシアの車だ。

違反後に外交特権で違反金を踏み倒した件数が最多だったのも、ロシアだった。
警察庁から独自に入手したリストによると、過去の違反に対する“踏み倒し”は、国別ではロシアのワースト1位が続いていて、2023年度は2418件と、過去6年で最悪となった。

全体に占める割合も、前年度から4ポイント増えて、63%と最悪となっている。
悪用防止の課題
ウィーン条約は、外交特権の目的を「個人に利益を与えることにあるのではない」としている。
だからと言って、悪用してもお咎めがある訳ではない。外交特権は相互に与えられるものではあるが、悪用に歯止めが効きづらいという条約自体の問題点があるのだ。
外務省は、放置違反金の踏み倒しについて、対抗策などにより「ほとんどの国が違反金を支払うようになっている」としている。しかし、対抗策が一部の国に”無視“されるケースが相次いでいることが判明したのも事実だ。
求められる実効性ある対応
海外に目を向けると、国連本部のある米・ニューヨーク市では「ナンバープレートの返還を求める」という強力な対抗策で、”踏み倒し”が、ほぼゼロとなった。
外務省には、より実効性の高い対応が求められる。
外務省は、取材に対し「今後の措置については、いかなる方策が効果的なのかとの観点から、不断に検討して行きたい」とコメントしている。
今後も、踏み倒しを続ける国と、外務省を含む日本政府の対応を注視して行きたい。(調査報道統括チーム 知野雄介)
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