八代白百合学園高校・剣道部の中司美羽選手は、2025年インターハイ女子個人で優勝するなど、飛躍を遂げた一年とした。そして、11月3日には日本一を決める全日本女子選手権に高校生ながら出場する。彼女の強さの背景にあるもの、そして大会への意気込みを取材した。
中司選手が八代白百合を選んだ理由は
2025年の高校剣道・三大大会の一つ玉竜旗で優勝。さらにインターハイでは個人で優勝と、学校初の快挙を達成。そして、国民スポーツ大会では熊本代表として出場し、26年ぶりの頂点に立った中司美羽選手。

そんな高校最強女性剣士の普段はというと、八代白百合学園高校に通う3年生だ。クラスメイトは「普段はユーチューブで甘いものとか見ていて、〈女の子〉という感じ」と話すも、「剣道のときは同じ人なのかな、本当に?」と思うほど、いざ練習となると凛々しい表情に。

中司選手の強さはどこにあるのか、3年間指導してきた澤田武秀監督は「技の切れとスピードは特に人と違う秀でたものがあると思う。体が出るスピード、間合いを埋めるスピード、瞬間的な速さというのが人よりも長けている。それを生かすだけの集中力を持っている生徒」と話す。

稽古熱心という中司選手は愛媛県の伯方島出身。高校進学で八代白百合を選んだのには母・薫さんの影響があった。中司選手は「母から八代白百合のことを聞いていて、〈この学校なら日本一になれるのではないか〉と思い進学した」と話す。

実は母・薫さんも八代白百合の卒業生。いまから26年前、1999年の玉竜旗で初優勝を飾った時のメンバーだ。

母の背中を追いかけ八代白百合を選んだ娘・美羽さんの姿に薫さんは「(自身の高校時代と比べて)とうに抜かれている。<こうやったら勝てる>と自分で信じたことを貫いていく力があると思う。本番で起こる焦りや気負いとかを(減らし)落ち着いて勝負することを高校で学んだと思う」と話した。
「やってきたことを信じて一戦一戦」
その心の強さや試合に臨む気構えをつくる上で大切にしているのが、剣道日記。大会で得た課題や自分の考え、思いがつづられていて、頭の中を整理することに役立っているそうだ。

この3年間、家族と離れる中で、心身ともに成長を遂げてきた中司選手。8月には、熊本県選手権で熊本県警の渡邊タイ選手を破り、剣道日本一を決める『全日本女子選手権』への切符を初めてつかみ取った。

中司選手は「とても大きな舞台に立たせていただくので、今までやってきたことを信じて一戦一戦、戦いたい。やるからには優勝」と話す。

高校生というカテゴリーを超え、初めて挑む大舞台ですが、決して浮かれることなく自分の剣道に集中する。
(テレビ熊本)
