「あの日のきょうにずきゅん」テレビ新広島、放送50年の歴史の中から、あの日のニュースを振り返ります。
今から30年前の1995年10月27日当時、大人気だったチビ玉3兄弟で有名な東京の大衆演劇の劇団が被爆50年を記念する広島公演を行いました。
広島市南区にあった清水劇場には開演の2時間前から長蛇の列ができ、チビ玉3兄弟の熱心なファンから大衆演劇が初めてという人まで450人が劇場を埋め尽くしました。
この日、上演された「かあさんの弁当箱」は原爆資料館に展示されている黒こげの弁当箱を題材に原爆の悲惨さを訴える創作劇です。
芝居の前半は大衆演劇らしくコミカルな演出で館内を沸かせます。
しかし、原爆投下後の広島が描かれた後半は一転して原爆で息子を失った母親の悲しみが熱演され観客の涙を誘っていました。
芝居上演後には、役者達が広島で感じたそれぞれの思いを語り、満員の客席から惜しみない拍手が贈られていました。
(メモ)
東京に本拠地を置く大衆演劇の「若葉劇団」では、当時、最上健太くん13才、瞬介くん11才、竜也くん6才の兄弟が「チビ玉3兄弟」として全国的に人気を集めていました。竜也くんは現在、俳優「若葉竜也」として映画やテレビで活躍しています。
劇団の団員たちは、当初テーマの重さや広島弁の難しさなどから原爆劇に難色を示していました。しかし、資料館を見学した若葉座長が団員を説得し、実演することになったということです。
広島市南区にあった清水劇場は、身近な演劇として女性客を中心に人気がありましたが、ファンの高齢化などから入場客が落ち込み、2018年9月28日に、35年の歴史に幕を閉じました。