国会を歩く高市首相は「かまないように頑張ります」と笑顔で口にしました。
就任後初の所信表明演説に臨み、「私は日本と日本人の底力を信じてやまない者として、日本の未来を切り開く責任を担い、この場に立っております」と第一声を述べました。
24日朝の閣議、中央の指定席に座った高市首相は隣の林総務相と笑顔で言葉を交わしました。
閣議後の会見ではクールジャパン戦略も担当する小野田経済安保相に、「アニメや漫画について最近好きな作品や過去に感銘を受けた作品は」という質問があがりました。
小野田経済安保相:
…はい。私だいぶ嫌われている人間でもありますので小野田が好きだということで、その作品を好きな人が嫌な思いをされる人もいると思っていて、それは公的な場ではなくあくまで一個人の場でお話できたらいいなと思っている。
一方、全身ピンクの明るい装いの片山財務相は会見でガソリンの暫定税率廃止の時期について、「今国会でと言っているからこれは至上命令で、あくまで実務の現場がついていける形なら早いほうがいい」と述べました。
そして24日午後、高市首相が就任後初となる所信表明演説に臨みました。
高市首相:
国民の皆さまの政治への信頼を回復する改革にも全力で取り組んでまいる。それが国家国民のためであるならば決して諦めない。これがこの内閣の不動の方針です。
物価高対策についてはひときわ大きな拍手があがりました。
高市首相:
この内閣が最優先で取り組むことは、国民の皆さまが直面している物価高への対応です。国民の皆さまの暮らしを守る経済対策・補正予算となるよう与野党で知恵を結集しましょう。
一方で、「自由民主党がこの夏の参議院議員選挙で公約として掲げた給付金については、国民の皆さまのご理解が得られなかったことから実施しません」と述べ、議場がざわつく場面もありました。
続けて、ガソリン税の暫定税率廃止法案の成立を訴えた他、電気やガス料金の支援も打ち出しました。
また、外国人政策については「一部の外国人による違法行為やルールからの逸脱に対し、国民の皆さまが不安や不公平を感じる状況が生じていることもまた事実です。排外主義とは一線を画しますが、こうした行為には政府として毅然(きぜん)と対応します」と述べました。
そして演説の最後、物事を独断で決めてはならないという意味の聖徳太子が定めたとされる憲法の言葉を引用し、訴えました。
高市首相:
「事独り断(さだ)む可(べ)からず必ず衆(もろとも)と与(とも)に宜(よろ)しく論(あげつら)ふ可(べ)し」。政治とは独断ではなく共に語り、共に悩み、共に決める営みです。私は国家国民のため各党の皆さまと真摯に向き合い、未来を築いてまいります。どうか皆さま、共に日本の新たな一歩を踏み出しましょう。
少数与党であることを念頭に野党へ協力を呼びかけました。
演説は約28分、政治とカネの問題や、日本維新の会が求めた議員定数の削減については言及しませんでした。
野党からは、「ガソリン税の暫定税率、年内に廃止で合意していたけれど『廃止法案の成立を期す』と完全に後退をしました(立憲民主党・野田代表)」「議員定数削減について全く言及はなかった。改革の本気度を疑ってしまわざるを得ないというのは率直な思い(国民民主党・玉木代表)」「ちょっとがっかりしているというのが正直なところ。消費税の減税に関しては記載すらない(参政党・神谷代表)」などと声が上がりました。
連立を離脱し野党となった公明党・斉藤代表も「政治改革についての言及が一言もなかったことにびっくりしました。“信なくば立たず”です」と述べました。
これから野党と激しい論戦を繰り広げる高市首相ですが気になる現象も見られました。
国会内の土産物店にはタオルや文房具、お菓子など高市首相の商品が並び、中には完売したものもありました。
更に、フリマサイトにずらりと並ぶ通称“サナエタオル”。
高市首相が総裁選で使用したタオルで1枚2000円でネット販売されると、たちまち完売し激レア商品に、フリマサイトで高額取引され、1万円を超えるものや2万円のものまで売り切れ続出の事態になりました。
来週、トランプ大統領との首脳会談を迎える高市首相。
早速、大きな山場となりそうです。