高市首相が、衆参両院の本会議で就任後初めての所信表明演説を行い、「絶対にあきらめない決意をもって、国家国民のため、果敢に働く」と強調しました。
高市首相:
今の暮らしや未来への不安を希望に変え、強い経済を作る。そして、日本列島を強く豊かにしていく。世界が直面する課題に向き合い、世界の真ん中で咲き誇る日本外交を取り戻す。絶対にあきらめない決意をもって、国家国民のため、果敢に働いていく。
高市首相は内閣の最優先課題として「物価高への対応」を挙げ、ガソリン税の暫定税率について、「各党間での議論を踏まえ、今の国会での廃止法案の成立を期する」と述べました。
一方で、自民党が参議院選挙で公約に掲げた現金給付については「国民の理解が得られなかったことから、実施しない」と明らかにしました。
また、外国人政策について「政府の司令塔機能を強化」し「土地取得等のルールの在り方についても検討を進める」と表明しました。
さらに、安全保障分野では「2026年中に安保関連の3文書の改定を目指す」ことや、防衛費を2027年度にGDP比で2%に増額する目標について、「2025年度中に前倒して措置を講じる」と明言しました。
一方、野党からは先送りと後退の演説だったなどと批判の声が出ています。
立憲民主党・野田代表:
「決断と前進」の内閣のはずが、「先送りと後退」の所信表明演説だ。物価高対策、今年中にやることはまだ見つかってないということじゃないか。これこそもう先送りと後退としか言いようがない。
国民民主党・玉木代表:
強い気持ちは伝わってくるものだったと思う。ただ物価高騰対策、年内に何ができるのかはまだ具体像が見えなかったので、少なくともガソリンの暫定税率の廃止、これは年内の約束通り実施を求めたい。
公明党・斉藤代表:
まず第一に政治改革についての言及が一言もなかったことにびっくり。
共産党・田村委員長:
自公の連立の崩壊に至ったのは、なんといっても政治とカネの問題。ところが、これはもう終わったこと、みそぎは済んだと言及なし。徹底的に追求していきたい。
参政党・神谷代表:
がっかりしているというのが正直なところ。減税や積極財政はスピーディーにやらないといけないが、初動が遅いなと感じる内容だった。
一方、連立入りした日本維新の会・藤田共同代表は「静かな語り口の中でも強い決意を感じることと、日本再起を目指すということを強く表明をしていただいた。私たちもしっかりと取り組んでまいりたい」と述べました。
野党は、11月4日に衆議院から始まる代表質問で、高市首相に直接ただします。