「イット!」取材班が訪れたのは、埼玉県内にある畑。
そこには、背丈ほどの木が生い茂り、南国のような景色が広がっていました。

木々にたくさん実っていたのはパパイヤですが、青々としていて黄色やオレンジの見慣れたパパイアではありません。

パパイア農家・今井稔通さん:
(Q.これは何ですか?)青パパイアですね。だいたい160本植えられています。

聞き慣れない青パパイアの実。
収穫量はどのぐらいなのでしょうか。

パパイア農家・今井稔通さん:
(去年の収穫量は)だいたい7000個くらい。

その実には、貴重な栄養素が含まれているといいます。

パパイア農家・今井稔通さん:
酵素、パパイン酵素ですね。

滴り落ちてきたのは脂肪や糖分を分解する消化酵素の1つ、「パパイン酵素」。
代謝が良くなり、冷え性などの改善が見込まれるのだそうです。

パパイア農家・今井稔通さん:
一年中食べてると“医者いらず”という野菜です。

そんな“酵素の王様”とも呼ばれる南国の恵みが、なぜ埼玉県で生産されているのでしょうか?

出発点は農家の人手不足や高齢化により生かせていなかった土地の有効活用でした。

青パパイアは猛暑に強いうえに虫を寄せ付けない性質のため、農薬いらずで手間がかからないといいます。

加えて、日本の気候では熟することがないため甘すぎず、野菜として料理に使用できるのも魅力だとか。

都内のスーパーでも販売されていて、さまざまな料理への活用法を伝える写真が添えられていました。

SNSでは、キーマカレーの具材にするなど、思い思いのパパイア料理に挑戦する人たちの投稿が見られました。

さらに、青パパイアの葉を使ったお茶や小麦にパパイアの葉を練り込んだ麺も人気を博しているといいます。

「イット!」取材班が向かったのは、都内のタイ料理店「ソムタムダー」。
青パパイアを使ったスパイシーなサラダ「ソムタム」の名前が入ったこの店では、「シャキシャキしててスパイシーで、ちょっと酸味もあって、ピーマンの印象でちょっと青臭さがあっておいしいです」「あまり(青パパイア)自体に味はないので、サラダにすると。だからより“そのお店の味付け”が引き立つ食材だと思う」「おいしいです。日本の方がイメージされるような黄色のパパイアは味があると思うが、大根のような感じで食感が楽しい食材。家でも青パパイア買って(料理を)作ります。自分で」などと、多くのお客さんが青パパイアに舌鼓を打っていました。

この店では、2024年の売り上げが30%ほど増すなど、青パパイア料理の注文が増えているといいます。

ソムタムダー代々木店・野原店長:
日本の各地で青パパイアを作ってくれる農家さんが増えたら、盛り上げられたらいいなと思います。

店側も歓迎する青パパイアの広がり。
農地の有効活用と食材そのものの魅力により、注目度はさらに高まっていきそうです。