大雨や地震といった自然災害による住宅への被害。その対応には時間や人手もかかり、地域によっては対応が追いつかないケースもあります。

こうした中、秋田県内の住宅メーカーが、リフォームを専門とするショールームを25日に秋田市にオープンさせます。「備える住まい」を学べるこの施設。オープンの背景には、2023年の記録的大雨がありました。

2023年7月の記録的な大雨。特に被害の大きかった秋田市では、床上・床下浸水など、住宅被害は6114棟に上りました。

秋田市東通地区でも道路が冠水するなどの被害を受けましたが、この地区に25日、県内の住宅メーカー「サンコーホーム」が、リフォームを専門とするショールームをオープンさせます。

サンコーホーム リフォーム課・太田美幸さん:
「2年前の大雨災害の時に、地域の皆さんや会社のオーナーからたくさんの相談があった。そこでリフォームの重要性や改修の大切さに気づいた。当時、社員一丸となって客の対応にあたったが、半年待ってもらう客もたくさんいた」

2023年7月当時、秋田市には被災住宅の修復に対応できる業者が少なく、サンコーホームにも修復を依頼する電話が相次ぎ、200件を超えました。

床の張り替えや床下の洗浄作業などに追われ、対応が落ち着くまで約1年かかったといいます。

こうしたことから、自然災害があっても迅速に対応できるよう、リフォームを専門とするショールームをオープンすることにしたのです。

このショールームでは、実物を見ながら災害に備える住宅について学ぶことができます。

例えば、一見一般的にみえるキッチンも、引き出しを開けると壁がステンレス素材になっています。浸水してもにおいが染みつきにくく、洗浄して再利用できるよう工夫されています。

また、耐震構造について学べるコーナーも設けられています。

住宅メーカーでは現在、地震や振動の影響を軽減する「制震装置」を取り入れた構造を採用していて、金具の中に内蔵された特殊なゴムが揺れのエネルギーを効率よく吸収し、家屋倒壊のリスクを軽減します。

こうした技術を知ることで、災害への備えを考える一歩になるかもしれません。

サンコーホーム リフォーム課・太田美幸さん:
「客が、ただ見にきた、話にきた、相談にきたという窓口として、一緒に話ができればいいなと思う。『相談して良かった』と言ってもらえるのが一番幸せ」

被害を受けた後よりも被害を受ける前に、防災リフォームを暮らしの安全を守る一つの方法として取り入れてみてはいかがでしょうか。

秋田テレビ
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