参議院で自民党と政治団体「NHK党」が、新会派を結成したことについて、自民党兵庫県議団はきょう=24日、党本部に送った「申し入れ書」を報道陣に公開しました。
申し入れ書では新会派結成の経緯の説明を強く求めるとともに、去年行われた兵庫県知事選挙について触れ、NHK党が「真偽不明の情報を拡散し、個人を標的とした攻撃的行為を繰り返した」としました。
その上で、自民会派入りしたNHK党の参院議員について、「NHK党に所属したまま自民党会派に参加することは、断じて受け入れがたい」と、事実上、新会派の撤回を求める内容となっています。
申し入れ書は23日、自民党の松山政司参院会長に速達で郵送したほか、兵庫県連の会長を務める末松信介参院議員に手渡されました。
自民党兵庫県議団は、党本部の説明を聞いた上で、改めて対応を協議するということです。
【「斉藤健一郎氏の自民党会派入りに関する申入書」全文】
「報道等により、NHK党所属の斉藤健一郎参議院議員が、参議院における自由民主党会派に参加したとの情報に接しました。
このことについて深い懸念を表明いたします。斉藤氏は、令和6年の兵庫県知事選挙において、NHK党代表・立花孝志氏とともに、公職選挙法違反の疑いが指摘される「二馬力選挙」を実施しました。
このような行為は社会的にも大きな問題となり、本年4月9日に全国知事会が公表した「公明かつ適正な選挙の確保に向けた提言」においても、二馬力選挙の問題点が明確に指摘され、同提言では、「有権者の前で互いに十分な政策論争を公平に行い、有権者の審判を仰ぐという本来の選挙のあり方を根底から揺るがすものである」として、必要な措置を講じることを求めています。」
「さらに、斉藤氏の所属するNHK党代表・立花孝志氏は、真偽不明の情報を拡散し、また自民党兵庫県連所属の県議会議員の自宅前で街頭演説を行うなど、個人を標的とした攻撃的行為を繰り返しました。
また、深刻な精神的負担を受けた他会派所属の県議が自ら命を絶つという痛ましい事態が発生しました。
現在、この事態と立花氏の行動との因果関係について刑事告訴がなされています。
このよう経緯を踏まえれば、仮に斉藤氏がすでにNHK党を正式に離脱し、本党の理念に真摯に賛同する意思を明確に示している場合には、一定の理解の余地はあるものの、同氏が依然としてNHK党に所属したまま自民党会派に参加することは、党の理念と規律を著しく損ない、国民に深い不信を生じさせるものであり、断じて受け入れがたいものです。」
「よって、党本部におかれては、斉藤氏がNHK党を離脱しているのか否か、その事実関係および会派入りに至った経緯を速やかに明らかにされることを強く求めます。
なお、現在、自民党が国会において過半数を割り込み、政治の安定と政策遂行のために一人でも多くの賛同者を得たいという党本部のご苦労と事情については、我が会派として十分理解しております。
しかしながら、いかなる政治的必要があろうとも、党の理念・信頼・規律を犠牲にしてまで安易な判断を行うべきではありません。
自由民主党は、正義と責任の政治を旨とし、国民の信頼を礎とする政党であります。
本件に関し、党の品格と信念を守るためにも、真摯かつ厳正な対応をいただきますよう申し入れます。」