10月31日に開幕する春の高校バレー岩手県大会の注目校・女子第3シード高田高校は、強い信頼関係で結ばれたキャプテンとマネージャーが、明るい後輩たちと一緒に5年ぶりの優勝を目指します。

創部90年以上「つなぐバレー」が伝統の高田は、春高バレー県大会で21回の優勝を誇り、さらに県内で唯一全国大会での優勝経験を持つ古豪です。

2025年はつなぐバレーに加えて「攻撃力」を武器にしています。
体の軸を意識したトレーニングや、9mのコートを5分間全力で走るシャトルランで、基礎となる体力も強化してきました。

チームを引っ張るのはキャプテンとマネージャー、2人の3年生です。

身長168cmの湊有優主将は、高校で全てのポジションを務めてきたオールラウンダーです。
この大会では、ブロックの中心の役割を担います。

高田3年 湊有優主将
「安定感のあるプレーに加えて、ディフェンスでもオフェンスでもチームに貢献したい」

入部当初は同じ学年の選手が他に3人いましたが、徐々に部から離れ、2025年の春には1人になりました。

高田3年 湊有優主将
「最初は寂しかったけど、人数が少ないからこそ一人の思いは強いと思うので、その分強い気持ちを持って戦いたい」

2年半、ともに歩んできたのがマネージャーの岡澤琉花さん、中学3年生まで選手としてコートに立っていました。

しかし、左ひざの手術でプレーヤーとしての道を諦め、マネージャーとしてバレーを続ける決断をしました。

高田3年 岡澤琉花マネージャー
「高田高校の練習を中学3年生で見に来たとき、『同じ空間に自分もいたい』と引かれて、『高校でもバレーボールから離れずにやろう』と思った」

練習中は部員の誰よりも声を出し、チーム全体の士気を高めます。

違う立場から同じ夢を見てきた2人は、それぞれを尊敬し信頼しています。

高田3年 岡澤琉花マネージャー
「(湊主将は)自分に厳しく、上を目指そうと思ってやっている。“自分の芯”がぶれずにある」

高田3年 湊有優主将
「(岡澤マネージャーは)優しい言葉じゃなくて、厳しい言葉をかけて強くしてくれる存在」

そんな3年生をサポートして盛り上げるのが、8人の2年生です。
持ち前の明るさと元気で、チームに勢いをもたらします。

中でも大きな存在感を放つのが、左利きの2年生エース・大下優羽選手です。
2025年、新人戦と県高総体でチームが奪ったスパイクの得点は合わせて300点、このうち約3分の1の97点が大下選手のポイントでした。

高田2年 大下優羽選手
「誰にも負けないと思っているのは、体全体を使った重みのあるスパイク。支えてくれている人たちに結果で恩返しができるよう、自分ができることを精いっぱいやって勝ちたい。3年生を支えて、3年生と一緒に全国大会の舞台に行けるように頑張りたい」

頼れる後輩たちの言葉が、「夢」を「決意」に変えてくれます。

高田3年 湊有優主将
「優勝して全国に行きます」

伝統の「つなぎ」と鍛えた「攻撃」を武器に、5年ぶり22回目の優勝を目指します。

岩手めんこいテレビ
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