米子市の松本京子さんが北朝鮮に拉致されてから、10月21日で48年になります。
この事件を解決の日まで記憶にとどめてもらおうと様々な取り組みが続いています。

田中祐一朗記者:
松本京子さんは自宅から編み物教室へ向かう途中、北朝鮮に拉致されたとみられ、この付近で足取りがわからなくなったということです。

政府が認定した北朝鮮による拉致被害者の一人、米子市の松本京子さんは1977年10月21日の夜、自宅近くの編み物教室に向かう途中、何者かによって北朝鮮へ連れ去られました。
当時29才でした。

未解決のまま48年、京子さんの帰国を待ち続ける兄の孟さんは2008年から鳥取県などと協力し、県内各地の学校や公民館などで講演を行っています。
その回数はこれまに164回、一日も早い解決を訴え続けています。

こうしたなか、地元・米子市では京子さんが拉致された10月21日に合わせてパネル展が開かれています。
拉致事件が身近な場所で起き、いまだ解決されていない現状を市民に知ってもらい、解決に向けた動きを後押ししようと米子市が企画しました。

会場には、松本京子さんの写真や拉致の経緯を紹介するパネルなど20点が展示されています。

卒業証書を手にした松本京子さん。
1964年、中学校の卒業式の日に収められた1枚です。

1970年、会社の同僚の結婚披露宴での1コマ。
お祝いの歌を披露しています。

こうしたごく普通の生活はその後、拉致によって奪われました。

松本京子さんの兄・孟さん:
母は必死で探しました。海岸沿いを『京子、京子』と叫びながら、来る日も来る日も。

帰りを待ち続けた母・三江さんの悲痛な姿を振り返った兄・孟さんの言葉。
三江さんは京子さんの帰国を見届けることなく、2012年に亡くなりました。

米子市人権政策課・池原奈緒子さん:
誰でも起きうることであったと身近に感じていただいて、過去の事件ではなくて今現在起きている事件だということを認識していただきたい。
拉致事件がおきまして48年が経過しています。ご家族の方も高齢化しています。一日も早く解決をしたいと、私どもも願っています。

松本京子さんは現在77歳、全国の拉致被害者、そして帰国を待つ家族も高齢となり、解決に向け残された時間は多くありません。

このパネル展は、10月23日まで開かれています。

TSKさんいん中央テレビ
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