中国・杭州発、韓国ソウル行きの航空機で18日、機内の手荷物から火が出るトラブルが発生した。火元はモバイルバッテリーのリチウムイオン電池で、旅客機は上海空港に緊急着陸した。日本でも7月から機内への持ち込み規制を強化している。

収納棚の手荷物から炎と煙で機内騒然

機内の収納棚から上がる赤い炎、乗客からは悲鳴が上がる。

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18日、中国・杭州から韓国ソウルの仁川空港に向かっていた中国国際航空の旅客機内で火災が発生。火元は収納棚の手荷物だった。

女性:
なんてことなの!

別の女性:
早く消火器!

火災の原因はモバイルバッテリーに使われている「リチウムイオン電池」。乗客が機内に持ち込んだものだった。 

男性:
早く早く! 

乗客の協力により火は消し止められ、けが人はいなかったが、目的地に到着する前に上海の空港に緊急着陸する事態となった。

当時の状況についてSNSには「突然目の前の荷物棚が『パン!』と音を立てて燃えた。機内全体が煙で染まっていました」との投稿も。

中国ではモバイルバッテリーによる火災が相次いでおり、国内線では中国独自の安全基準マークがないものは、機内への持ち込みが禁止されている。一方、国際線での規制はない。

1月には韓国・釜山でも、モバイルバッテリーが原因とみられる火災で航空機が炎上した。

さらに、9日には飛行中の沖縄・那覇空港から東京・羽田空港行きの全日空機内で煙が発生。離陸直後、乗客が持ち込んだモバイルバッテリーから煙が出た。

日本でも規制強化へ機内持ち込みは手元保管が原則に

外部からの衝撃や劣化で、発火や発煙の恐れがあるモバイルバッテリーだが、日本では7月から機内への持ち込み規制を強化した。

預け入れ荷物に入れることは以前から禁止されていたが、手荷物の場合でも、座席の上にある収納棚に入れることも出来なくなった。

機内では手元で保管し、充電する際は常に状態が確認できる場所で行うよう求めている。

全日空機内での発煙は座席下の手荷物からだった為、すぐに気付いた乗客が水をかけ消火した。

けが人もなく、その後、乗務員が安全を確認して運航を続けたという。

大惨事に繋がりかねないモバイルバッテリー火災。いま一度、乗客一人一人の適切な管理が求められる。
(「イット!」10月20日放送より)

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