山形の秋の味覚ラ・フランスは上品な香りとなめらかさが人気。多くの農家ではすでに収穫を終えていて、販売が“解禁”されるのは1週間後の10月28日。収穫後すぐに店頭に並ばないのには「ワケ」があるという。

収穫されたラ・フランスが、天童市の選果場に運ばれてきた。
この選果場が、私たち消費者においしいラ・フランスを届けるために大きな役割を果たしているということで、JAてんどう販売部の山口さんに案内してもらった。

菅原「中に入ります…わぁけっこう寒い! 何度くらいですか?」
山口「ここは3℃設定にしています」
菅原「けっこう天井の方までカゴが積み上げられていますね」

ラ・フランスが入ったコンテナが所せましと積み上げられているのは、巨大な冷蔵庫。

ラ・フランスは日の当たり方や実る場所によって、糖度や硬さに差がある。
その差を均一に近づけ、よりおいしい状態で出荷するための工程がこの「予冷」。

室温3℃ほどに設定された冷蔵庫で、最低1週間冷やす。

(JAてんどう販売部・山口輝部長)
「個体差を少なく、その後の“追熟”がそろいやすくなるように“予冷”をする」

“予冷”が終わったら“追熟”。
常温で数週間おく“追熟”をさせることで、最も“食べごろ”の時期に調整する。

追熟を終えたら、今度は2階に移動して“選果作業”。
まずは人の目でラ・フランスにキズなどがないか確認し、問題がなければレーンに並べられる。
そして。

菅原「これが噂の光センサーですね。けっこうなスピードで通過していますが、どんなことが行われていんでしょうか?」
山口「果実の中を光が通って、その結果で糖度・硬さがわかる仕組みになっている」

21年前に導入された透過式の光センサー。
両側から光センサーを当てることで、糖度や熟度・硬さなどを一瞬で判別する。

山口「ここが果実1個1個の糖度。一番下がきょうの平均で13.8度」
菅原「山口さんから見て、この数字だと今年のラフランスの出来は?」
山口「十分甘さがあっておいしいラ・フランスになっている」

県によると、2025年のラ・フランスの予想収穫量は1万2400トン。
これは平年の8割程度。

夏の暑さと水不足の影響で、実はやや小ぶりな一方、甘くおいしいラ・フランスに仕上がったという。

(JAてんどう園芸課・山口輝課長)
「例年通り甘くておいしいラ・フランスになった。しっかりと追熟して食べごろを自分なりに見つけて、おいしいラ・フランスを味わってほしい」

厳しい品質チェックを経て、2025年もまもなく出荷されるラ・フランス。
販売が解禁されるのは10月28日。

出荷されるまで工程が多いが、家でも追熟してさらに食べごろを見極めなければいけないのがラ・フランスの難しいところ。
山口さんによると、「実の底の部分が自重で平らになってきたころが食べごろ」だという。
毎日食べごろを見極めることが大事だという。

さくらんぼテレビ
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