まもなく連立政権樹立で合意する自民党と日本維新の会。
20日、国会内を笑顔を浮かべて歩くのは自民党の高市総裁です。
一方、キーパーソンの日本維新の会・吉村代表は週末から20日にかけて“吉村節”で発信を続け、注目を一身に集めました。
日本維新の会・吉村代表:
全集中で考えて、決断すべき時は決断しなければならないのが人生だと思っていますから…。
19日、日本維新の会の議員から一任を取り付け、高市総裁と大詰めの協議に臨む心境を明かした維新の吉村代表。
政策協議の焦点となっていた項目のうち、食料品の消費税率2年間ゼロは継続協議。
そして企業・団体献金の廃止については、高市総裁の任期までに協議体を設置して合意に向けて協議することで両党が折り合ったとしています。
そして、維新側が連立の絶対条件とした衆議院の議員定数1割、約50人の削減について、吉村氏は比例代表を中心に行いたい考えを示しました。
日本維新の会・吉村代表:
例えば同じ小選挙区でも、落選してるのにまだゾンビ議員と言われるように復活してきているんですよね。それおかしいやんか、そんなのがと。(削減数)50人というのが、じゃあ20人となったら僕は(連立)受けません。そんな覚悟で日本の改革なんかできるわけありません。
そして、大阪府知事としての公務を行いながら高市総裁と連立協議を行うことについては「二足のわらじで可能なのかと言われましたけど、ちょっと前まで万博ありましたから、三足のわらじ履いてましたんで。連立合意をすると、政策協議をまとめるという判断をすれば、(首相指名で)高市さんの名前を書くのは当然」と述べました。
そして一夜明けた20日午前、吉村氏は自らの決断を電話で高市総裁に伝えたことを記者団に明かしました。
日本維新の会・吉村代表:
しっかり昨晩考えて、きょうの朝、私から高市総裁に電話して、連立合意を致します、共に日本を前に進めていきましょうという話をしました。
合意内容はほぼまとまっているとした吉村氏。
自民・維新連立の実質的な合意を受け、野党からはさまざまな声が聞かれました。
20日午後、立憲民主党の野田代表は「(15日)夜に吉村さんと高市さんの会談が入ったときには、こんなはずじゃなかった。きょうはまだ政権交代あきらめない。そういうつもりであります」と語りました。
また、同じ立憲の安住幹事長は「残念ながら力及ばず、自民党を首相指名で倒すというところまではいかなかったということでございます」と話した一方、国民民主党の玉木代表は「現役世代の頑張りをしっかり応援する政策、日本をもう一回強い日本経済を取り戻す成長戦略。ちゃんとやってくれるんであれば、その信頼関係のもとに、その先の連携強化も考えていきたい」と話しました。
そして、自民との連立を解消した公明党の斉藤代表は、自民と維新の政策協議の合意内容について「企業・団体献金の禁止に向けて(の協議)というところに、これまでの自民党さんと違う、根本的に違うのでちょっとびっくりと」と述べました。
また、斉藤代表は議員定数の削減そのものには反対しないとする一方、削減する対象について、比例だけでなく小選挙区と比例を3対2の割合で行うのが妥当と述べました。
このあと、維新の吉村代表が大阪から駆け付け、午後6時から自民・維新の党首会談が行われ連立政権の樹立で合意する見通しです。
日本維新の会・吉村代表:
最終的に夕方6時の段階で、高市総裁と私自身がその中身を最終確認して、連立政権樹立をさせたいと思っています。
自民と維新の連立政権樹立に向けた正式合意を前に、影響が早くも表れたのが週明けの東京株式市場です。
午後0時半過ぎ、平均株価は史上初めて4万9000円台に突入。
金融緩和や積極財政などを行う意向を示す高市氏の経済政策を期待し、幅広い銘柄で買い注文が広がりました。
21日の総理指名選挙で選出される公算がより大きくなった自民党の高市総裁。
新たに誕生する見通しの自民・維新の連立政権の枠組みが少しずつ明らかになってきました。
日本維新の会・藤田共同代表:
1回目から自民党総裁である「高市早苗さん」のお名前を書かせていただくということで決裁した。
20日午後に行われた両院議員総会の中で、総理指名選挙で“高市早苗”と書くことを決定した日本維新の会。
一方で、連立の枠組みについては、午前中に維新の吉村代表が大臣ポストを求めない閣外協力の形をとる意向であることを念頭に「大臣の席に座りたいわけでもありません。(Q. 閣内と閣外、連立政権の責任の重みの違いは?)責任の重さはそこまで変わるものではない。連立合意するということで、まず与党になるわけだから、単純な閣外協力ではないです。是々非々とかそれは野党の立場(なので)」と述べました。
高市総裁は、このあと午後6時からの党首会談で連立の正式な合意をしたあと、閣僚人事などに着手する見通しです。