福岡県田川市の保育園で園児に対する虐待など不適切な保育があったとして20日、県などは園を運営する社会福祉法人に対し改善勧告を出しました。
改善勧告を受けたのは田川市の松原保育園を運営する社会福祉法人松原福祉会です。
県によりますと松原保育園では20代~60代の保育士10人が
▽園児に対し殴ったりたたいたり頬をつねったりする行為
▽昼食やおやつの時間に食べるのが遅い園児に対し嫌がっているにもかかわらず強引に食べ物を口に押し込む行為
▽園児に対し「頭悪いんか」などと心を傷つける発言を繰り返す行為
▽園児に対し威圧的に大声で叱責する行為を繰り返す行為
などの身体的・心理的虐待にあたることをしていることが確認されました。
また、こうした不適切な行為をほかの保育士が把握していたにもかかわらず、注意や助言、園長などへの報告や相談がなかったということです。
このため県と田川市は条例や国の指針に抵触するとして20日、園を運営する社会福祉法人松原福祉会に対し改善勧告を出しました。
県と市は、不適切保育が起きた原因の検証と再発防止に向けた取り組みや職場環境の整備などを求め、11月20日までの報告するように求めています。
県は8月から10月にかけて児童福祉法に基づく特別指導監査を行い、職員からの聞き取りや施設内のカメラ映像の分析、保護者アンケートの実施などを進めていました。
保育士は当時14人いて、聞き取りに対し園長は「不適切保育や虐待は知らなかった」などと話しているということです。
一方、保育士に対するヒアリングでは「日ごろの保育の忙しさという職場環境も原因にあった。経験の長い保育士が離職し相談できる人がいなかった」という声も上がったということです。