宮城県知事選(10/26投開票)に立候補した伊藤修人氏(33)に単独インタビュー
移住者として感じた地域間格差から立候補を決意した伊藤氏。「誰一人取り残さない社会の実現」をノーカットに近い形で掲載する。
【前編】は格差是正、公平な子育て環境づくり、地方への投資などについて聞いた。
ハイライト(要点)
・立候補の動機:移住後に地域間格差を強く感じ、「このままでは子供が地域で暮らせない」と危機感を抱き立候補を決意。
・現県政の評価:行政運営自体は着実と評価する一方、長期政権は権力の腐敗を招き、民主主義には選択肢が必要だと指摘。
・格差是正と再分配:都市と地方の格差解消を重点政策に掲げ、コンパクトシティ一極集中ではなく、地域で暮らし続けられる社会を目指す。
・誰一人取り残さない子育て環境:保育料の無償化や医療費負担の軽減、遠隔医療相談窓口の整備など、どこに生まれても同じように子育てできる環境を整える。
・地方への投資:デジタル化や自動運転など技術投資で移動や手続きの負担を軽減し、地方に暮らし続けられる基盤をつくる。
Q. 立候補を決断した理由は?
岩手から仙台に、その後丸森町に移住しました。子供が生まれた時に「このままでは地域が維持できず、子供がこの地で育てないのでは」と危機感を抱き、立候補を決意しました。
Q. 村井県政5期20年をどう評価しますか?
行政手腕は着実で、評価すべきところもあります。しかし、一般的に長期政権は権力の腐敗を招きます。民主主義では新しい選択肢を示すことも重要だと考えました。
Q. 「誰一人取り残さない社会」を掲げた理由は?
岩手県宮古市で生まれ育ち、インターネットも普及していない時代に都市との格差を強く感じました。その原体験から、どこに生まれても平等な環境でチャンスが得られる社会をつくりたいという思いが強くあります。
Q. 村井県政に「経済効率優先では地域は持続できない」と指摘していますが?
新自由主義的な政策が30年間続き、地域の衰退や格差の拡大という課題が顕在化しました。経済効率を優先した結果、水道の民営委託などが進みましたが、改めて公共と民間のあり方を問い直していかなければなりません。
一極集中に伴う都市の災害リスクも分散し、地域の持続性を高める政策に舵を切るべきだと考えています。
Q. 子育て支援で優先したい施策は?
保育料の無償化は全県に広げたい施策です。また、医療費についても一部自己負担は残しつつ、親が安心して子供を病院に連れて行けるよう負担軽減を進めたい。周産期医療や産婦人科の不足も課題で、遠隔医療や相談窓口の充実に取り組みます。誰もが安心して子供を産み育てられる環境づくりが必要です。
Q. 人口減少対策で重視する制度改革は?
人口減少が続く中、地方でも暮らし続けられるようAI・自動運転など技術投資に力を入れ、行政効率化と移動負担の軽減を図ります。デジタル化で行政手続きをオンライン化し、移動コストや人手不足の問題を解消したいと考えています。
Q. 仙台一極集中からの脱却と地方への投資にはどのようなビジョンがありますか?
地域で働ける基盤を整備するため、工業団地などへのインフラ投資を進めます。道路やデジタルインフラを整えることで、地方でも企業が根付ける環境を作りたい。自治体と総合計画のすり合わせを行い、インフラ投資の有効性を検討していきたい。
プロフィール
氏名:伊藤 修人(いとう しゅうと)/33歳
経歴:岩手県宮古市出身。元角田市役所職員
※肩書・経歴は取材時点。インタビュー収録日:2025年10月3日
編集注
・本文は候補者の見解に基づいており、数値・評価は本人の主張によります。
・語句や表現は意味を損なわない範囲で整文しました。
・公平性のため、全候補を同フォーマット・近似文字量で掲載します。