宮城県知事選(10/26投開票)に立候補した和田政宗氏(51)に単独インタビュー

「日本一稼げる県」「聞く政宗」を掲げる和田氏。【後編】では、水道・土葬問題・介護・経済戦略を中心に聞いた。

ハイライト(要点)

・土葬墓地検討撤回に対する姿勢:説明不足のまま進めた知事の姿勢を批判。再提案の懸念もあり、意思決定プロセスの再設計を求める。
・介護人材・福祉政策:介護職の賃金是正と独自補填、施設整備補助の再構築を掲げ、「日本一の福祉県」を目指す。
・経済政策:自動車・半導体の強化とともに、航空機産業という“世界の勝ち筋”を宮城に誘致し、桁違いの生産効果を狙う。

Q. 村井知事の土葬墓地の検討撤回については?

初めから自治体や住民に十分な説明と合意形成をすべきでした。宿泊税の再提案があったように、土葬墓地も再提案の可能性があり、意思決定のプロセスを再設計する必要があります。外国人材の就労には理解を示しますが、土葬墓地は定住前提の重い政策であり、丁寧な議論が不可欠です。

Q. 介護人材の待遇改善はどう考えていますか?

現場の高いスキルに見合う賃金水準への是正が必要です。国の施策で賄えない部分は県独自で補填します。平成17年以前は国が介護施設の整備補助を直接行っていましたが、一般財源化で現場が困窮しているため、建替・修繕支援を再構築します。安心して介護・福祉サービスを受けられる宮城を目指します。

Q. 経済戦略「日本一稼げる県」構想とは?

自動車・半導体産業を伸ばしつつ、航空機産業という“世界の勝ち筋”を宮城に誘致します。今後10年で国が官民で5兆円を投資予定であり、部品点数は自動車の約100倍(300万点)と裾野が広い。サプライチェーンごと誘致し、中長期的に桁違いの工業生産を生む可能性を狙います。

Q. 用地・企業誘致の見通しは?

県有地や関係機関地、例えば栗原・築館IC周辺や三本木IC周辺などの活用余地があります。航空機産業の議連事務局長としてのネットワークもあり、立地優遇策と合わせれば現実的に誘致できると考えています。

Q. 現県政の政策群(水道、4病院再編、外国人材など)をどう総括しますか?

人口減少対策の総合戦略になっていないと考えます。水道事業は本来公が担うべきであり、民間委託の前に公でのコスト削減努力を行うべきでした。料金の高止まりも課題です。4病院再編は手詰まり状態で、県民の希望が持てる県政への転換が必要です。

Q. トップダウン批判を踏まえ、政策決定プロセスはどうしますか?

「聞く政宗」を掲げ、35市町村で意見交換会を継続。県庁に「よく聞く課」を設け、出先機関でも受け皿をつくります。「今すぐやれること」と「時間をかければやれること」に分け、可視化して進める方針です。

Q. 無所属での立候補/政党との関係は?

知事選は無所属で幅広い支持を得るのが基本。特定政党の公認は求めず、新しい政治の結集を目指します。

Q. 選挙戦をどう展開しますか?

「新しい政治・新しい県政をつくる」を掲げ、同世代・若い世代中心の体制で臨みます。20年続いた県政の歪みをリセットし、希望ある宮城をつくりたいと訴えます。

プロフィール

氏名:和田 政宗(わだ まさむね)/51歳
経歴:東京都出身。元NHKアナウンサー。参院議員2期
※肩書・経歴は取材時点。インタビュー収録日:2025年9月30日

編集注

・本文は候補者の見解であり、数値・評価は本人主張に基づきます。
・語句や表現は意味を損なわない範囲で整文しました。
・公平性のため、全候補を同フォーマット・近似文字量で掲載します。

仙台放送
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