将棋界、最高峰の戦い竜王戦第2局は17日、勝負の2日目を迎え、藤井聡太竜王が佐々木勇気八段を下して2連勝とし、5連覇へ近づきました。
  
雨が上がり晴天に恵まれた17日のあわら市。竜王戦第2局2日目は、対局再開の16分前に挑戦者・佐々木八段が初のタイトル獲得へむけ対局室へ入りました。去年はこの第2局で藤井竜王に勝利しています。
   
佐々木八段に少し遅れて藤井竜王が対局室へ。第1局を制し今年の七番勝負を勝ち越せば5連覇となり、史上最年少で“永世竜王”の称号を手にします。
 
午前9時に封じ手が開かれ、盤面に向かう両者の表情に緊張が張り詰める中、対局が再開しました。


対局の裏で、熱い視線が注がれていたのが“大盤解説会”です。将棋ファンが集うこの場所には、地元はもちろん県外からも多くの人が。
  
担当のプロの棋士が、一手ごとに展開を読み解いていき、観客は解説に耳を傾けながら盤上の攻防を“自分ごと”として体感していきます。
 
坂井市から来た親子は「最近、将棋を始めた子供が行きたいと言ったので来た」といい、将棋を始めたという男の子は、好きな棋士は「藤井聡太竜王、羽生善治九段」と教えてくれました。母親は「県内の観光もますます盛り上がって欲しい」と地域活性化にも期待を寄せます。
  
東京から来たという将棋ファンは「第1局、第2局、第3局とすべていく。きのう恐竜博物館や一乗谷朝倉氏遺跡に行った。あしたは坂井市丸岡町に行って満喫して帰る。あわら対局は小規模だが、駅から歩いてみると情緒的な街並みがいい。スタッフも優しくて暖かい感じがする」と話します。

対局は午後2時13分、2日間にわたる激戦が決着の時を迎えました。68手で佐々木八段が投了。藤井竜王が去年の雪辱を果たし、連勝としました。
  
藤井竜王は、これで竜王戦5連覇に向けてまた一つ“歩”を進めました。


熱戦を終えた2人は-

藤井竜王:
「激しい将棋で際どい変化も相当多かったと思うので、まずはしっかりと振り返って、第三局に向けて準備をしていきたい」
 
佐々木八段:
「一手のミスも許されない将棋で、実際指したことのない将棋になってしまった。次局に向けて切り替えて、悔いの残らないように準備していきたい」

その後、大盤解説会の会場に移動した2人は、観客を前に第3局への意気込みを語りました。対局を振り返る感想戦では、笑顔で局面について検討しあう場面もありました
   
県内を沸かせた若き2人の棋士。今期の竜王をかけた対局はまだ続き、第3局は10月31日に京都で行われます。
  
熱く盛り上がったあわら市での竜王戦第2局。次回の県内開催が楽しみです。

福井テレビ
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